増大号 超音波検査のパニック所見—いま知りたい、チェックポイントと緊急性
3章 下肢血管エコー領域:緊急所見・準緊急所見
急性下肢動脈閉塞
手嶋 敏裕
1
1済生会福岡総合病院検査部
キーワード:
急性下肢虚血
,
Rutherford分類
,
6P
,
4Mサイン
,
血流信号消失
Keyword:
急性下肢虚血
,
Rutherford分類
,
6P
,
4Mサイン
,
血流信号消失
pp.349-353
発行日 2026年4月15日
Published Date 2026/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.048514200700040349
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病態の概要
原因
急性下肢動脈閉塞(acute limb ischemia:ALI)は多彩な原因を持つ.最も多いのは心原性塞栓であり,その多くは心房細動(atrial fibrillation:AF)に起因する.このタイプは“AF由来の血栓塞栓症”として位置付けられ,血栓が心臓内(多くは左心耳)で形成され,末梢動脈に塞栓する病態である.発症例の約70%が心原性イベントとされ,抗凝固療法の適応がありながら未治療である症例が少なくないことも問題である.
一方,慢性動脈硬化を基盤とした血栓形成(いわゆる急性増悪)が20〜30%を占める.これは“動脈硬化に基づく血栓性閉塞”として,局所の粥状硬化病変に血栓が付着・進展することで閉塞に至る病態であり,塞栓性とは異なる臨床的背景を有する.さらに,外科手技後の塞栓や人工弁・ステント関連血栓が5〜10%,まれに腫瘍塞栓や大動脈解離などの特殊例もある.ALIは決して単一病因に限られないため,多様な背景を想定した診療が求められる1-3).

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