増大号 超音波検査のパニック所見—いま知りたい、チェックポイントと緊急性
3章 下肢血管エコー領域:緊急所見・準緊急所見
深部静脈血栓症急性期
笹木 優賢
1
,
髙井 洋次
2
1藤田医科大学病院臨床検査部
2藤田医科大学病院放射線部
キーワード:
深部静脈血栓症
,
DVT
,
近位型血栓
,
浮遊血栓
,
準緊急所見
Keyword:
深部静脈血栓症
,
DVT
,
近位型血栓
,
浮遊血栓
,
準緊急所見
pp.344-348
発行日 2026年4月15日
Published Date 2026/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.048514200700040344
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病態の概要
深部静脈血栓症(deep venous thrombosis:DVT)は四肢の深部静脈に生じた血栓症のことである.上肢より下肢に生じやすく,血栓の存在部位によって,膝窩静脈を含む中枢側にある血栓を中枢型(近位型),膝窩静脈より末梢側の血栓を末梢型(遠位型)に分類する.
DVT急性期の症状や所見には多くの場合,片側肢の腫脹や浮腫,疼痛,色調変化,熱感,下腿の把握痛がみられる.非常にまれではあるが,腸骨大腿静脈に急速に大量の血栓が生じることで下肢の著明な腫脹と動脈攣縮が起こり,下肢は蒼白となり,有痛性白股腫と呼ばれる病像を呈する.さらに血栓が広範囲に及ぶと,下肢の腫脹緊満,持続性の激痛,チアノーゼを呈し,有痛性青股腫となり,動脈の血行障害から下肢壊死を生じることがある.また,深部静脈血栓が遊離し,肺動脈に流入することで急性肺血栓塞栓症(pulmonary thromboembolism:PTE)を発症する.急性PTEは全くの無症状から発症直後に心停止に至る重症例まで存在し,その予防が重要となる.急性PTEの塞栓の90%以上が下肢深部静脈あるいは骨盤内静脈由来であり,そのため,多くの場面で下肢静脈超音波検査が依頼される.
*本論文中,[▶動画]マークのある図につきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2029年4月30日まで).

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