今月の特集2 感染性心内膜炎
扉
関谷 紀貴
1
1東京科学大学病院感染症内科
pp.247
発行日 2025年3月15日
Published Date 2025/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.048514200690030247
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感染性心内膜炎は,診断,治療ともに難渋することがあり,予後不良となることもある重要な感染症の1つです.長期間の抗微生物薬投与が必要であり,患者背景,自然弁・人工弁,起因菌の種類と薬剤感受性などにより治療方針が変わることに加え,外科的治療の必要性や予防戦略など,医師と臨床検査技師が共有しておくべき知識も多い疾患です.
今回の特集は,感染性心内膜炎の特徴とマネジメントの基本を学び,感染性心内膜炎診療を行ううえで必要なディスカッションをより有意義なものとするための基礎知識を学ぶことを目的としています.
初めに,心内膜炎の診断に関して,全体の流れに関する総論,心エコー所見,一般的な原因微生物,培養陰性例の検査室診断についてご解説いただいています.次に,抗微生物薬を中心とした内科的治療のポイント,最後に感染性心内膜炎の診断時から常に評価が必要となる外科的治療についてご紹介いただきました.感染性心内膜炎診療のさらなる質向上に向けて,本特集をご活用いただければ幸いです.

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