増大号 サッと読めてパッとわかる! 感染症診断メモ。
4章 抗酸菌・放線菌感染症
2.病理組織標本で抗酸菌が観察されていますが,培養で発育しないと言われました.どのような抗酸菌を想定し,追加対応はどのようにすればよいでしょうか?
𠮷田 志緒美
1
1国立病院機構近畿中央呼吸器センター臨床研究センター感染症研究部
キーワード:
抗酸菌
,
培養発育温度
,
アルカリ抵抗性
,
播種性肉芽腫病変
,
人獣共通感染症
Keyword:
抗酸菌
,
培養発育温度
,
アルカリ抵抗性
,
播種性肉芽腫病変
,
人獣共通感染症
pp.396-402
発行日 2025年4月15日
Published Date 2025/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.048514200690040396
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●菌が検出されない場合,臨床的判断(画像所見,他の疾患の除外),自覚症状や患者情報,病理所見や菌遺伝子検査などの結果から総合的に診断する.
●抗酸菌の至適発育条件は,培養期間3〜42日,培養温度25〜45℃と幅広い.発育がみられない場合は,培養期間を延長する,もしくは37℃と異なる温度条件下での培養検査を追加する.
●非結核性抗酸菌(NTM)の一部は培養検査の汚染除去の目的で用いられるアルカリ製剤に弱く,失活する.したがって,試薬の濃度や反応時間のコントロールに気を付ける必要がある.

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