今月の臨床 —これ一冊でわかる—婦人科がん術後補助療法
卵巣がん
境界悪性腫瘍・胚細胞腫瘍に対する術後補助療法
北井 美穂
1
1大阪府立病院機構大阪国際がんセンター婦人科
キーワード:
境界悪性腫瘍
,
胚細胞腫瘍
,
腫瘍減量術
,
妊孕能温存
,
BEP療法
Keyword:
境界悪性腫瘍
,
胚細胞腫瘍
,
腫瘍減量術
,
妊孕能温存
,
BEP療法
pp.754-758
発行日 2025年8月10日
Published Date 2025/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698650790080754
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●卵巣境界悪性腫瘍は一般に予後が良好であるが,進行期では術後補助化学療法の有効性は限定的である.
●胚細胞腫瘍は若年女性に好発し,進行が速いが,化学療法に対する感受性が高いため,高い治癒率が得られる.BEP療法が標準治療であり,進行例でも80〜90%の生存率が報告されているため,治癒を目指すために適切な投与量と投与間隔の遵守が必須である.
●上皮性卵巣がんの領域では分子標的治療や免疫チェックポイント阻害薬,抗体薬物複合体の開発が進んでおり,今後は卵巣境界悪性腫瘍や胚細胞腫瘍に対しても新規薬剤の導入が期待される.

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