増刊号 周術期管理マニュアル—保存版
Ⅱ併存症をもつ患者の評価とその術前・術後管理
心疾患
高血圧
浜崎 安純
1
,
新浪 博士
1
Azumi HAMASAKI
1
1東京女子医科大学心臓血管外科
pp.50-52
発行日 2025年10月22日
Published Date 2025/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698570800110050
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術前評価
高血圧は周術期の心血管イベントのリスク因子として広く知られており,大規模なメタ解析で心血管系合併症リスクを1.35倍増加させることが報告されている1).緊急手術では検索が難しいことがあるが,定時手術では術前評価に十分時間をかけるべきである.
術前評価で未治療の高血圧や適切に治療されていない高血圧が発見された場合には,基本的な病歴の聴取,身体所見の評価,採血,検尿,心電図で高血圧性臓器障害や合併症のスクリーニングを行い,適応があれば二次性高血圧の精査を行うべきである2).特に脳血管障害,左室肥大,冠動脈疾患,腎機能障害などは重篤な周術期合併症を引き起こす可能性があるので,入念な検査が必要である.

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