書評
花田 恵介 編「—ひもとく・理解する・支援する—失行のリハビリテーション」
網本 和
1
1仙台青葉学院大学・リハビリテーション学部
pp.894
発行日 2026年9月10日
Published Date 2026/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698220540090894
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朝目覚めると,まずケトルに水を注ぎお湯を沸かし始める.その間にポットの上にコーヒードリッパーに端を折ったペーパーを取り付け,缶からコーヒー粉をすくって入れて,その上に沸いたお湯を静かに注いでいくと,立ち上る香りにやや二日酔いの脳がようやく活動を始める.
このような一日の始まりは,いわばルーティンに行われ,何も考えることなく意識せずに流れていく.ここまで長々と記した行為は,一言でいえば「コーヒーを淹れる」ということである.この日常的で簡単な(ようにみえる)行為であっても,脳障害などが原因で,運動麻痺や感覚障害がない,あるいはそれらが軽微であっても,行うことが困難になる場合がある.この症状を「失行」という.

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