Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「コット,はじまりの夏」—子供時代に欠かすことのできない自己肯定感の獲得
二通 諭
1
1札幌学院大学
pp.647
発行日 2025年6月10日
Published Date 2025/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698220530060647
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筆者らは,札幌の地で自主上映を行っている.上映作品として選定されるのは,映画愛好家たちをして,自身の心に刺さり,多くの方に鑑賞してもらいたいとの願いを強く抱かせる作品であり,佳品を掘り起こす営みでもある.この1年余では,「コット,はじまりの夏」(監督/コルム・バレード)が,これに該当する.
主人公は,1981年のアイルランドの田舎で,大家族に埋もれるかのように静かに暮らす9歳の少女コット.おねしょ(夜尿)があり,国語の授業における音読は拾い読み.さながら「学習遅進児」の様相を呈している.家族からの視線も冷たい.
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