書評
感染症薬学のひきだし—疾患・治療・制御の基本から応用まで—松尾宏一,川上和宜,中野貴文 編
青木 洋介
1,2
1なゆたの森病院
2前・佐賀大医学部
pp.97
発行日 2026年1月20日
Published Date 2026/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038523930800010097
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「学習成果を実社会で発揮するためには,継続的な脳への情報のinputに加え,脳内に蓄えられた知識を適時・適格にoutputすることのできるスキルも同様に不可欠である」(Benedict Carey註) : How We Learn—Throw out the rule and unlock your brain's potential, Random House, 2014).
この「Input」と「Output」の双方を司るために必要なのが脳の中の“ひきだし”に相当するのではないか.専門家になっていく過程で多くの情報(知識)を修得し,その時点まで培った知識体系の中で意味づけをし,自分の知として咀嚼・収得としたものを系統的に管理するスペースが“ひきだし”である.普段は意識上になくとも,目前の課題に対応するひきだしを開けることで,その場面で必要とされるセオリーや問題解決の糸口を自ら取り出すことができる.優れた専門家は,ひきだしの中身のみでなく,ひきだしの組み方自体も必要に応じて更新し,体系立った思考回路をupdateし,常に実践的であろうと心がける.

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