#総合診療
#書評:感染症薬学のひきだし—疾患・治療・制御の基本から応用まで
青木 洋介
1,2
1なゆたの森病院
2前・佐賀大医学部
pp.1184
発行日 2025年10月15日
Published Date 2025/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218880510350101184
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
「学習成果を実社会で発揮するためには、継続的な脳への情報のinputに加え、脳内に蓄えられた知識を適時・的確にoutputすることのできるスキルも同様に不可欠である」(Benedict Carey註):How We Learn——Throw out the rule and unlock your brain's potential, Random House, 2014)。
この「input」と「output」の双方を司るために必要なのが脳の中の“ひきだし”に相当するのではないか。専門家になっていく過程で多くの情報(知識)を修得し、その時点まで培った知識体系のなかで意味づけをし、自分の知として咀嚼・収得したものを系統的に管理するスペースが“ひきだし”である。普段は意識上になくとも、目前の課題に対応するひきだしを開けることで、その場面で必要とされるセオリーや問題解決の糸口を自ら取り出すことができる。優れた専門家は、ひきだしの中身のみでなく、ひきだしの組み方自体も必要に応じて更新し、体系立った思考回路をupdateし、常に実践的であろうと心掛ける。

Copyright © 2025, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.