連載 臨床医が病院長になった日・18
必要とされる場所で生きる—病院長として私が大切にしていること
布袋 祐子
1
1医療法人財団 荻窪病院
pp.814-815
発行日 2025年10月1日
Published Date 2025/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038523770840100814
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
■突然の病院長就任
荻窪病院は,東京都杉並区にある252床の急性期病院です.私は2005年より皮膚科部長として勤務し,2022年に病院長に就任しました.院長という役割は,自分にとってまさに「青天の霹靂」でした.突然の打診に,「ノーはないのでしょうか?」と問い返したことを今でも覚えています.もともと地位や名誉に関心はなく,ただ目の前のことに真摯に取り組んできただけでしたが,「職員のために私がやらねば」という思いが,最後には自分を動かしました.
経営の経験があったわけではありませんが,私は昔から,人に必要とされると応えたくなる性格でした.役割を任されれば,その都度,期待に応えるべく全力を尽くし,気づけばその積み重ねが成長につながっていました.今回も例外ではありません.リーダーとしてのあり方に正解はなく,今もなお模索の途上にいますが,私は「学び続けること」「柔軟でいること」を大切にしながら,前向きに歩みを進めています.

Copyright © 2025, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.