連載 臨床医が病院長になった日・17
「思考回路の修正」から始まる病院長の日々
池田 直也
1
1医療法人南労会紀和病院
pp.740-741
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038523770840090740
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■大学から地域病院へ—異なる現場に身を置いて
2024年4月より和歌山県橋本市の医療法人南労会紀和病院(299床)で病院長を務めています.それまで私は奈良県立医科大学消化器・総合外科で准教授を務め,臨床・研究・教育という3本柱を中心に活動していました.病院長という全く異なる職責に身を置いて1年,ようやく日々の業務に少しずつ慣れ責任の重さとやりがいを実感しています.紀和病院は「命の輝き(QOL)を大切にする医療・介護を行います」を理念とし,急性期から回復期,在宅・介護サービスまで幅広い医療を担う地域密着型の病院です.病院長の役割は大学医局での管理職とは全く異なるもので,最初は戸惑いの連続でした.臨床・研究・教育という明確な柱を持つ大学と異なり,民間病院の運営はあらゆる要素が複雑に絡み合うため,病院長は患者,職員,地域社会,全ての関係者にとって「顔が見える」存在であり続けることが求められます.まさに“医療の現場の責任者”としての在り方を日々学んでいます.

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