連載 医療機関で起きる法的トラブルへの対処法・51
宗教的理由から輸血拒否されたとき
久保田 萌花
1
1弁護士法人 色川法律事務所
pp.566-569
発行日 2025年7月1日
Published Date 2025/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038523770840070566
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■1 宗教的輸血拒否
治療に当たり輸血が必要となる場面は避けられないと思いますが,患者が宗教的理由から輸血を拒否した場合,医師はどのように対応すればよいのでしょうか.
過去に,エホバの証人を信仰する患者が手術に伴い輸血を受けたことで自己決定権を侵害されたとして手術を行った病院の開設者や医師らを訴えた事案が最高裁まで争われ,最高裁は,患者の自己決定権を認めた上で医師の説明義務違反による侵害を理由に患者の請求を認めました(最判平成12年2月29日第三小法廷・民集54巻2号582頁★4).

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