連載 アーキテクチャー×マネジメント・126
多職種協働で取り組んだ自律搬送ロボットを活用した看護業務効率化:トヨタ記念病院—看護に専念できる病院を目指して
黒田 直美
1
1トヨタ記念病院看護室
pp.506-511
発行日 2025年7月1日
Published Date 2025/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038523770840070506
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■はじめに
わが国では,少子高齢化の進展による生産年齢人口の減少が深刻化している.その中で,看護師らの確保の重要性が増大している.この課題を解決するためにAIやIoTなどの導入が期待されるが,看護の分野は,仕事が非定型的で複雑な人との関わりが必要であるため機械化しにくい職業といわれている1).1990年代に米国が開発した手術ロボットが急速に普及し,先進的なツールが病院に導入されはじめた.厚生労働省は,看護職がより専門性を発揮できる働き方の推進や生産性の向上,看護サービスの質向上を図るために看護業務の効率化を推進している医療機関への表彰制度「看護業務の効率化先進事例アワード」,AIやIoTなどを活用した先進事例の公表,他施設の看護業務効率化支援を実施している2).

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