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連載講座 細胞の完全理解は可能か?—生物物理学的視点からの問い・3
細胞空間のリアルとナゼ
True intracellular space and its role in cell functions
市川 一寿
1
Ichikawa Kazuhisa
1
1株式会社True Cell Simulations
キーワード:
実細胞空間
,
空間伝搬
,
反応の場
,
量と濃度
,
空間蓄積
Keyword:
実細胞空間
,
空間伝搬
,
反応の場
,
量と濃度
,
空間蓄積
pp.281-288
発行日 2026年6月15日
Published Date 2026/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.037095310770030281
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1945年に電子顕微鏡による細胞観察が報告され,その後次々と細胞構造が明らかになっていった。しかし,その直後からこれを凌ぐスピードで発展をしてきたのが分子生物学であった1)。それはあまりにも速くて大きく,細胞構造が置き去りになった感すらある。この状況は,細胞構造との関連で,分子とその相互作用を考えることに意識が向きにくいことに端的に現れる*1)。
しかし,細胞の化学反応は試験管のような均一空間での反応ではなく,複雑な構造を有する非均一空間での反応である。この当然すぎる事実が,このまま意識外に置かれ続けてよいはずがない。最大の問題は,どう重要なのか,なぜ重要なのかがはっきりしないことにあり,この状況では議論が進まないのは当然である。そこで連載第3回では,多少なりともこの問題の糸口を見いだすべく,細胞空間を考える。

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