増刊号 眼科診療のピットフォールあるある—対応スキル爆上げのヒント
1.眼瞼
下睫毛内反症—紹介すべき症例の見極め方と再発の少ない手術法を伝授!
末岡 健太郎
1
1広島大学大学院医系科学研究科視覚病態学
キーワード:
下眼瞼牽引筋腱膜
,
角膜乱視
,
角膜高次収差
Keyword:
下眼瞼牽引筋腱膜
,
角膜乱視
,
角膜高次収差
pp.24-29
発行日 2025年10月30日
Published Date 2025/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.037055790790110024
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はじめに
内反症,いわゆる逆さまつ毛は睫毛内反,眼瞼内反,睫毛乱生に大別され,いずれも日常診療でよく出くわす疾患である。日本語病名が類似しているため混同されることが多いが,睫毛内反は眼瞼の向きは正常だが睫毛が眼球方向に内反,眼瞼内反は眼瞼自体が眼球側に内方回旋している状態で,病態が異なる。
睫毛内反症は,下眼瞼牽引筋腱膜(lower eyelid retractor:LER)皮膚穿通枝の脆弱性,眼瞼前葉組織の瞼縁乗り上げ,眼瞼後葉組織の尾側引き込み,内眼角贅皮など多くの因子が関与している。小児に多いが成長に伴い軽減するため,二次診療病院への紹介のタイミングに悩むことがある。

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