小児網膜硝子体疾患の治療〜学び，格闘，喜び〜

My journey into pediatric retina: learning, struggling, and joy

　網膜硝子体疾患は眼科のサブスペシャルティのなかでもメジャーな分野で，専門家も多い。しかし，小児網膜硝子体疾患，特に外科的治療を要する疾患に限ると，症例数の少なさ，診察の困難さ，難治症例の多さなどもあり，これを積極的に手掛けようとする眼科医は少ないと感じている。かく言う筆者も成人症例を専門にしていたが，いろいろな経緯により20年ほど前からこの分野に携わることになり，いつの間にかこの分野に魅了され，取り組んでいる。本稿では筆者がこれまで力を注いできた小児網膜硝子体疾患のうち，未熟児網膜症，Coats病，家族性滲出性硝子体網膜症の病態，治療の最近の展開，筆者らの実績について概説する。