増大号 糖尿病のすべて。 検査データに基づいた診療のポイント
はじめに—糖尿病と臨床検査
村上 正巳
1,2
1群馬大学
2国際医療福祉大学病院臨床検査部
キーワード:
糖尿病
,
臨床検査
,
糖尿病療養指導士
Keyword:
糖尿病
,
臨床検査
,
糖尿病療養指導士
pp.83-85
発行日 2026年2月1日
Published Date 2026/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.030126110540020083
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糖尿病治療の目標は,血糖,血圧,脂質代謝の良好なコントロール状態と適正体重の維持,および禁煙の遵守を行うことによって,糖尿病細小血管合併症および動脈硬化性疾患などの糖尿病合併症の発症・進展を阻止し,糖尿病のない人と変わらない寿命と日常生活の質(quality of life:QOL)を実現することである(図1)1).近年,高齢化などによって増加するサルコペニア,フレイル,認知症,悪性腫瘍などの併存症の存在が注目されており,これら併存疾患を予防・管理することも必要とされている.また,糖尿病が原因となってスティグマや社会的不利益,差別が生じている場合があるので,アドボカシー活動などを通じてこれらを取り除くよう努力することも糖尿病のない人と変わらない寿命とQOLの実現を目指すうえで大切である.
糖尿病の病因・病態は多様であり,合併症の発症・進展においても患者ごとに差異がみられる.糖尿病患者に対処する際には,患者の臨床像を十分に解析し,きめ細やかな診療を行うことが必要である.しかしながら,2025年9月1日現在,糖尿病専門医は全国に7,109人(表1)2,3)となっており,増加している糖尿病患者の診療は,糖尿病を専門とする医師だけで行うことは困難である.かかりつけ医と糖尿病専門医との地域医療連携を推進することが大切である.

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