増大号 極める!呼吸機能検査 患者を診る力が成功のカギ
4章 フローボリューム波形と患者状態から読み解く失敗例とその対応(努力肺活量測定)
—アドバイス—臨床治験に携わるポイント
清水 康平
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1東邦大学医療センター大森病院臨床生理機能検査部
キーワード:
臨床治験
,
治験コーディネーター
,
CRC
,
ガイドライン
Keyword:
臨床治験
,
治験コーディネーター
,
CRC
,
ガイドライン
pp.228-229
発行日 2025年2月1日
Published Date 2025/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.030126110530020228
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はじめに
臨床治験とは,新薬の開発が進み,それがどのくらい体内に吸収され,排泄されるか調べるための安全性に特化した第Ⅰ相試験(phase Ⅰ)とその新薬がどのくらい有効であるかを小規模で確認する第Ⅱ相試験(phase Ⅱ),大規模で確認する第Ⅲ相試験(phase Ⅲ)に分けて行われる試験である.各試験が終了した後に,厚生労働省へ新薬の承認申請を行い,審査の結果,承認され,初めて新薬が使用できる.
昨今,免疫チェックポイント阻害薬や分子標的薬の開発が盛んとなり,副作用として知られている薬剤性間質性肺炎の評価をはじめ,治験において呼吸機能検査を行うことが増えている.また,原因の特定ができない特発性間質性肺炎は,抗線維化薬はあるが,新薬が待たれている疾患の1つでもあり,呼吸器疾患治療薬の治験においても,呼吸機能検査は重要な役割を担っている.
臨床治験が各施設で行われるまで,数々のステップを経ている(図).特に選定調査では,治験領域で専門性の高い責任医師が在籍するか,その疾患の症例数を確保できるか,今までの治験実施歴や遂行度も含めた医療機関への信頼度が重要となってくる.そのなかで,検査室環境も大事な要素の1つとなっており,ISO 15189の取得や機器の精度管理,保守点検状況については,特に厳しく評価される.
近年では,臨床検査技師の国家資格をもつ者が治験コーディネーター(clinical research coordinator:CRC)として治験に携わることも増えてきているが,これも治験において検査の品質が重要であるためだと考える.
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