連載 授業・演習・実習をつなぐ協働の力 大学と病院が共に創る看護基礎教育・4
母性看護学における病院と協働で実施した授業・演習の紹介
宍戸 路佳
1
1東京医療保健大学立川看護学部看護学科
キーワード:
母性看護学
,
演習
,
授業
Keyword:
母性看護学
,
演習
,
授業
pp.650-654
発行日 2026年10月25日
Published Date 2026/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.004718950670050650
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はじめに
母性看護学では、少子化の進行や分娩施設の減少などにより、学生が妊産褥婦や新生児と関わる機会は限られている。さらに、分娩期から産褥期にかけては、母児の状態が短期間に大きく変化するため、対象を継続的に観察し、その変化を捉えながら臨床判断を行う力が求められる。しかし、臨地実習で経験できる場面や対象は学生によって異なり、学習経験に差が生じやすい現状がある。
近年は教科書やデジタル教材が充実し、図や写真に加え、動画による学習も可能となった。しかし、教材のみでは、対象の状態や時間経過による変化を具体的にイメージすることは難しく、情報を関連付けながら対象を理解し、臨床判断へ結び付ける力を育成するには限界がある。また、多くの学生にとって母性看護学実習は、自分自身と年齢の近い対象へ看護を実践する初めての経験となることが多い。加えて、日本では妊娠・出産や生殖に関する話題を日常的に扱う機会が少ないこともあり、褥婦とのコミュニケーションに戸惑う学生も少なくない。実際に学生からは、「どのように声をかけたらよいか分からない」「母性看護学実習は最も不安を感じる実習の1つである」といった声も聞かれる。
このような背景から、本学では臨地実習前教育の充実を目的として、実習施設の臨床指導者や臨床で働く非常勤教員(以下、臨床教員)と協働し、シミュレーション教育を実施している。本稿では、その演習の概要と協働教育の工夫について紹介する。

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