特集 精神科×内科—患者と家族を支えるために知っておきたい見えない“こころ”のこと
患者心理を理解し診療に活かす
薬剤とプラセボ効果・ノセボ効果—治療関係を含めた種々の要因が思いがけない影響を与える
名越 泰秀
1
1京都第一赤十字病院精神科(心療内科)
キーワード:
プラセボ効果
,
ノセボ効果
,
治療関係
,
期待
,
暗示
,
レジリエンス
,
不安
,
不信感
Keyword:
プラセボ効果
,
ノセボ効果
,
治療関係
,
期待
,
暗示
,
レジリエンス
,
不安
,
不信感
pp.978-983
発行日 2025年6月10日
Published Date 2025/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002576990620070978
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Point
◎プラセボ効果は,治療への期待が関与しており,暗示あるいはレジリエンス(自然治癒力)を介して生じる.
◎ノセボ効果には,治療への不安や不信感が関与している.
◎プラセボ効果,ノセボ効果の両者とも,治療関係による影響が大きい.
◎プラセボ効果は,適度なものは治療に有用となるが,それにより投薬中止が困難になる場合もあるため注意が必要である.
◎ノセボ効果を防止することはきわめて重要であり,そのための工夫を考慮すべきである.

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