特集 抗菌薬の選び方・変え方・やめ方
治療をいつ止めるか
致死的重症感染症の治療終了の判断
足助 洵
1
,
阪本 直也
1
1東京都立墨東病院感染症内科
キーワード:
治療期間の短縮
,
抗菌薬管理
,
薬剤耐性菌
,
感染源コントロール
,
臨床的安定性
Keyword:
治療期間の短縮
,
抗菌薬管理
,
薬剤耐性菌
,
感染源コントロール
,
臨床的安定性
pp.883-886
発行日 2025年5月10日
Published Date 2025/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002576990620060883
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Point
◎致死的重症感染症の治療では,感染源の迅速な同定と外科的ソースコントロールが重要であり,適切な抗菌薬の選択と投与期間の設定が成功の鍵である.
◎抗菌薬治療では,広域抗菌薬使用後にデエスカレーションを実施し,原因微生物と感受性に基づいてスペクトラムを狭めることが薬剤耐性菌の抑制と治療期間の適正化に繋がる.
◎治療期間は感染源のコントロール状況や患者の臨床経過に基づき個別化する必要があり,短期間治療が推奨されるものの,重症例では慎重な判断が求められる.
◎昇圧薬やインスリンの必要量の減少,尿量や意識状態の改善などの臨床指標を総合的に評価し,臓器特異的なパラメータの改善を基に治療終了を判断することが有用である.
◎感染症科医,外科医,集中治療科医,薬剤師などが連携し,明確な意思決定を行う多職種協働が安全で適切な治療の基盤となる.

Copyright © 2025, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.