増刊号 総合力で対応するEmergency/Intensive Care Medicine
第6章 内科医も押さえておきたいTips&Topics
67 急性出血時の薬剤の中止と再開の判断
井上 遼大
1
,
山田 万里央
1
,
北野 夕佳
1
1聖マリアンナ医科大学救急医学
キーワード:
抗血栓薬
,
急性出血
,
中和薬
Keyword:
抗血栓薬
,
急性出血
,
中和薬
pp.426-436
発行日 2025年4月1日
Published Date 2025/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002576990620040426
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POINT
●急性出血時の抗血栓療法は患者個々の状態を詳細に評価し,再出血と血栓塞栓イベントのリスクを比較衡量のうえ,抗血栓薬の中止,中和薬の使用,再開の是非と時期を決定する.
●各抗凝固薬にはそれぞれ対応する中和薬があり,重篤な出血時には中和薬投与が推奨される.
●一方,抗血小板薬には中和薬がなく,半減期も長い.そのため,急性出血時の抗血小板薬の中止や投与継続の明確な基準は確立されておらず,エビデンスも十分ではない.
●状態安定後の抗血栓薬再開は,再出血と血栓塞栓イベントのリスクを慎重に比較衡量し,個別に判断する必要がある.

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