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上肢運動障害の作業療法
麻痺手に対する作業運動学と作業治療学の実際
筆頭著者 竹林 崇 (著)
文光堂
電子版ISBN
電子版発売日 2022年2月14日
ページ数 214
判型 B5
印刷版ISBN 978-4-8306-4571-6
印刷版発行年月 2018年9月
書籍・雑誌概要
脳卒中後の麻痺手に対するCI療法を中心としたアプローチ方法を,科学的根拠をもとにレクチャー.その評価法および実践的な課題作成方法を,初学者でも理解できるよう構成した.さらに,CI療法を中等度および重度の対象者に実施するための工夫や,効果を促進するための物理療法など,多くの併用療法の実際や行動学的手法であるTransfer packageにも触れる.事例に関わるエピソードを満載し,読者の実体験にも訴えかけ,学習が進むよう配慮した.
目次
I 作業療法における機能的アプローチの役割
1 作業療法の機能的なアプローチに対するスタンス
2 上肢アプローチの作業活動を用いたアプローチの台頭
3 脳卒中後の上肢麻痺に対する課題指向型アプローチ
1 作業活動を用いたアプローチ=課題指向型アプローチとは?
4 脳卒中後の上肢麻痺に対する作業を用いたアプローチのエビデンス
1 CI療法が中枢神経システムの可塑性に関わるメカニズム
2 CI療法のエビデンス
II 作業を用いた上肢機能アプローチを行うための基本的な評価
1 脳卒中後の上肢麻痺に対する特異的評価と運動学的評価の役割
2 「 客観的数値」を示すための脳卒中後の上肢麻痺に対する特異的な検査
1 身体機能・構造(body function)
① Fugl-Meyer assessment(FMA)の上肢運動項目
② ブルンストロームステージ(BRS)
③ modified Ashworth scale(MAS)
④ motricity index(MI)
2 活動(activity)
① action research arm test(ARAT)
② Wolf motor function test(WMFT)
③ box and block test(BBT)
④ 簡易上肢機能検査
⑤ assessment of motor and process skills(AMPS)
3 参加(participation)
① motor activity log(MAL)
② カナダ作業遂行測定(COPM)
③ stroke impact scale(SIS)
④ 活動量計
3 運動学的評価の役割
4 事例を通した運動学的評価の実際
1 ボトムアップ評価
① 異常な共同運動パターンを評価する
2 トップダウン評価
III 運動学的評価による課題作成とアプローチ手法の決定
1 事例を通して運動学的評価を実践してみよう
2 練習課題の作成
1 shaping
① 肩の適合性を整える
② 使用する物品を決める
③ 課題のなかで使える手をつくる
④ さらに分離を促し機能向上を目指す
⑤ その他の手指,手関節に対するアプローチ
2 task practiceにつなぐためのshaping
① 肩甲骨の適合性をつくる
② 使用する物品を決める
③ 課題のなかで使える手(近位上肢)をつくる
④ 課題のなかで使える手(遠位上肢)をつくる
3 task practice
① task practiceを導入するタイミング
② task practiceにおける難易度調整
③ task practiceにおける両手動作の位置付け
IV 練習課題の種類と運用方法
1 作業課題のバリエーション
1 shapingの例
1. ブロック移動/2. ひも結び/3. 液体をすくう/
4. ボタンの着脱/5. 物品にバンテージを巻きつける/
6. ビー玉をチラシで包む/7. タイピング/8. 書字動作/
9. コイン操作/10. 手掌内でのボールの操作/11. おはじき弾き/
12. ページめくり/13. 輪ゴム入れ/14. のりのキャップを開ける/
15 .トランプめくり/16. 輪移動/17. ペグボード移動/
18. ネジまわし/19. ベルクロ®を剝がす/20. レースボード/
21. プラスチックコーンの移動/22. ピンチペグの移動/
23. アークアンドリング/24. 手指で円を描く/
25. ホッチキスやパンチを使用する
2 task practiceの例
1. 爪切り課題/2. 身体を洗う/3. 髪をとく/
4. ジャケットのジッパーを締める/5. 歯磨き/
6. スープを食べる 飲み物を飲む/7. 衣服の着用/
8. 靴下の着脱/9. 顔剃り/10. 手袋の着脱/
11. マウスをクリックする/12. テーブルや壁を拭く/
13. テーブルセッティング/14. 食材を切る/15. 携帯電話の操作
2 作業課題の運用方法の実際
1 適切な練習量
2 練習量を担保するマネジメント
① 家族にCI療法の教育を行う
② ほかの医療スタッフと連携を図る
V 課題指向型アプローチを効率化する手法
1 経頭蓋磁気・直流電気刺激
2 末梢電気刺激
3 ミラーセラピー
4 振動刺激
5 ロボット療法
6 ボツリヌス毒素施注
VI 練習成果を生活環境に定着するための行動学的手法
1 どうして行動学的手法が必要なのか
2 行動学的手法であるtransfer packageとは
1 transfer packageの構成要素
① 毎日MALのQOMを自己評価する(麻痺手の観察:monitoring)
② 麻痺手に関わる日記をつける
③ 実生活で麻痺手を使用するために存在する,障害を克服するための問題解決技法の獲得
④ 行動契約
⑤ 介助者との契約
⑥ 自宅での麻痺手の使用場面の割り当て
⑦ 自主練習の指導
⑧ 毎日の練習内容の記録
2 CI療法の手続きの流れ
索 引