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ICTを使った看護教育・実習ハウツーBOOK

ICTを使った看護教育・実習ハウツーBOOK
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筆頭著者 相撲 佐希子 (編著)

修文大学看護学部看護学科教授

その他の著者 石井成郎,澤野弘明,鈴木裕利,宮﨑亮 著

金芳堂

電子版ISBN

電子版発売日 2022年12月23日

ページ数 136

判型 B5

印刷版ISBN 978-4-7653-1929-4

印刷版発行年月 2022年12月

DOI https://doi.org/10.50910/9784765319294

書籍・雑誌概要

コロナ禍を経て、大きく変わろうとしている看護教育。情報通信技術(Information and Communication Technology:ICT)を使った教育方法がわかり、授業の幅が広がる・看護教育教員のサポートブックが登場しました。

本書には著者のICT教育の経験や看護教育現場のICTの最新の知見が盛り込まれており、コロナ禍やアフターコロナも見据えた看護教育・実習の内容になっています。また、ICT導入の際の注意点として、著作権、個人情報・肖像権・プライバシーなどについても、法的な視点からわかりやすく説明されています。

ICTに苦手意識を持って諦めている方でも、お手持ちのアプリケーションを使用し、本書の手順通り進めていくことでICT教材が作成できるhow-to本となっています。本書を参考に、ハイブリッド型の授業形式を作っていきましょう。

序文
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的パンデミックで、看護教育も打撃を受けました。これまで当たり前に行ってきた対面での授業が、緊急事態宣言の影響を受け、Webを使った非対面での授業への変更を余儀なくされました。さらに、実習施設の実習受け入れ中止に伴い、急遽、学内での代替実習を計画・実施するなど、次々と難題が降りかかり、読者の皆さんは大変な思いをされたのではないでしょうか。

看護教育は講義科目だけではなく、技術を学ぶ「演習科目」、学んだ知識や技術を活用して看護に取り組む「実習科目」があります。それらの科目をWeb授業のみでどのように学生に学ばせるか、科目を担当する先生方は悩みながら授業を計画・実施されてきたことと思います。対面での授業では生じなかった、パソコンやネットワークなどの種々なトラブル対応にも苦労されることも多かったと思います。

皆さんも感じていると思いますが、コロナ禍において教育現場への情報通信技術(Information and Communication Technology:ICT)の導入が加速しました。アフターコロナの時代においては、これまでの対面形式の授業を実施するだけではなくアナログ、デジタルを使い分けしながら、ハイブリッドな授業展開ができる能力を身に付けることが必須です。

本書は、そのような中で主に看護教育に携わる教員を対象に、ICTを活用した授業を計画・実施するためのノウハウを提供することを目的として企画されました。「アプリケーションの基本的な使い方から法律的な注意点」までを7つの章立てにして初心者の方でも、ICTに苦手意識を持って諦めている方でも、本書の手順通り進めていくことでICT教材が作成できる実践的なhow-to本として、皆さんにご活用頂けるよう構成しています。

第1章は、医療や看護におけるICT活用についての解説です。ICTとは何か、また医療やこれまでの看護教育におけるICT活用の具体例やキーワードを紹介します。

第2章は、ICTを活用した実習を紹介します。ここでは、COVID-19のまん延防止等重点措置が適用されている際にICTを活用した基礎看護学実習を実施した経験をもとに、メリットとデメリットをまとめました。特に本章の内容は、実習に限らず学内演習でも十分活用できる内容です。

第3章は、ICTを使用した授業方法について紹介します。ICTを活用した授業のメリット・デメリットから、映像などの教育教材やテストの作成の基本操作について具体的に説明しています。本章については、ICTを活用した授業運営の手順書として活用いただける構成としています。

第4章は、教員がオリジナルの動画教材を作成し、学生の自己学習に役立てる、eラーニングを活用した自己学習支援教材作成方法について紹介します。具体的内容は、「撮影する方法」から、「PowerPointへの貼り付け」、「学生に配信する方法」を、実際に著者が作成した手順に沿って紹介します。本章も第2章に続いて、手順書として活用できる構成としています。

第5章は、ICTを利用した看護技術の評価方法について紹介します。学生は自己の看護技術をスマートフォンで撮影し、インターネットを介して、グループメンバーと共有することで学習者間の相互評価を効果的に取り入れることができる内容です。

第6・7章は、ICT導入に伴い、配慮する権利(著作権・個人情報・肖像権・プライバシー)について解説します。第6章では「著作権」について、第7章では「個人情報・肖像権・プライバシー」について、具体的事例を取り上げながら法的な視点からわかりやすく説明しています。

そして、付録では、これまで私たち著者らのグループが実践したICTを看護教育に活用した研究事例を紹介しています。今後の授業運営にご活用いただければと思います。

2022年11月
相撲佐希子

目次

第1章 医療・看護におけるICT活用
はじめに

1-1 ICTとは

1-2 医療におけるICT活用
オーダリングシステム
電子カルテシステム
お薬手帳アプリ

1-3 看護教育におけるICT活用
eラーニング
ポートフォリオ
LMS
シミュレーション教育
VR・AR
教育用電子カルテシステム

おわりに

第2章 実習におけるICTの使い方
はじめに

2-1 看護におけるコミュニケーションの位置付け

2-2 学内代替えオンライン実習の実践
代替え実習とは
模擬患者とは
模擬患者に求めていること
模擬患者を活用する場合の事前準備
ICTを活用した演習・実習の事前準備

2-3 ICTを活用した実習のメリット・デメリット
メリット
デメリット
- 改善①:在宅の学生は、実習中はビデオ会議のカメラをONのままにする
- 改善②:指定されたユニフォームを着用し、整髪から靴下まで臨地と同様の身なりとする

2-4 ビデオ会議の活用方法

2-5 学生へのフィードバック方法
方法
メリット
デメリット

2-6 学内オリエンテーションや実習病院との打ち合わせ

2-7 オンラインを活用したカンファレンス
メリット
デメリット
おわりに

第3章 授業におけるICTの使い方
はじめに

3-1 授業の種類
双方向通信型
オンデマンド型

3-2 双方向通信型による授業
事前確認
双方向通信型授業のお勧めの進め方
事前準備チェックリスト

3-3 オンデマンド型による授業
事前準備

3-4 映像教材の作り方
カメラ撮影による映像教材
普段利用している講義資料を用いた映像教材
▶Microsoft Power Point(Windows版)を使用した手順
- 1.事前準備
- 2.講義資料を開く
- 3.撮影前の設定
- 4.撮影を開始
- 5.撮影後、エクスポート(出力)する

3-5 映像教材のアップロード方法
具体的な操作手順
- 1.動画のアップロードを開始
- 2.動画をアップロードする
- 3.アップロード後の設定

3-6 評価方法
具体的な操作手順
▶Google Formsを使用した手順
- 1.Google Formsを起動
- 2.新規作成
- 3.タイトルの設定
- 4.問題を作成
- 5.自動採点の設定
- 6.問題を配布する
- 7.回答を取りまとめる

3-7 学生への提出物共有方法
具体的な操作手順
▶Google Formsを使用した手順
- 1.アップロード前の準備
- 2.ファイルをアップロードする
- 3.ファイルを共有する
- 4.共有したことを連絡する

おわりに

第4章 教材作りのための動画作成例
はじめに

4-1 事前学習のために、教員目線の動画教材を作成する
動画の撮影(ビデオカメラ使用)
- 1.動画撮影前
- 2.動画撮影
PowerPointに貼り付ける、字幕を挿入する
- 1.動画を挿入
- 2.字幕(テロップ)の入れ方
- 3.再生し、動画を確認する
- 4.動画の編集をする
ナレーションを挿入する
- 1.画面ごとのナレーションの入れ方
- 2.ナレーションの再生
- 3.ナレーションの編集
動画とナレーションを同時に自動再生する
- 1.動画の再生中に、ナレーションを入れる方法
- 2.スライドショーの自動再生時間を設定
教材として共有化
- 1.動画への変換作業

おわりに

第5章 看護技術の評価方法例
はじめに

5-1 動画を学生間で共有する方法

5-2 自己評価・他者評価をインターネット上で実施する方法
自己評価・他者評価の流れ
評価シートの作成
実例:グループ間での相互評価・他者評価

おわりに

第6章 看護教育におけるICT導入の注意点-著作権-
はじめに

6-1 著作権についての概要
原則として著作権者の許諾が必要であること
例外的に著作権者の許諾が不要な場合
- 1.保護期間、フリー素材
- 2.権利制限規定

6-2 授業の過程における利用(著作権法35条)
想定事例/授業の過程での著作物の利用方法
条文
著作権法35条の趣旨について
著作権法35条の概要について
- 1.著作権者の許諾の要否について
- 2.補償金の支払いの要否について
- 3.公衆送信が有償でできる場合(著作権法35条2項):補償金の支払い方法について
- 4.公衆送信が無償でできる場合(遠隔合同授業等)(著作権法35条3項)について
- 5.フローチャート
- 6.補足:著作物利用の際にすべきこと(出所明示義務、改変禁止)
著作権法35条1項の文言・要件について
- 【1】「学校その他の教育機関」とは
- 【2】「授業」とは
- 【3】「公表された著作物」とは
- 【4】「複製」とは
- 【5】「公の伝達」とは
- 【6】「公衆送信行為」とは
- 【7】「著作権者の利益を不当に害することとなる場合」とは
〈ケース検討〉教材作成・配布・公開での注意事項
- 「〇許される?」「×許されない?」
- ケース1 「一部」とはいえない場合は?
- ケース3 教材用動画サイト・動画共有サイトの利用時に注意することは?
- ケース4 問題集、ドリルを学生が購入済みの場合は?
- ケース5 体験版は?
- ケース6・7 著作権法35条の適用が認められない理由は?
教育現場のQ&Aに関する参考サイト情報

6-3 引用・転載について(著作権法32条)
引用(著作権法32条1項)
行政の広報資料等の転載(著作権法32条2項)

6-4 著作物の利用に関して注意すべき点

おわりに

第7章 看護教育におけるICT導入の注意点-個人情報・肖像権・プライバシー-
はじめに

7-1 個人情報の取扱いに関する規定について
個人情報保護法について
保健師助産師看護師法上の守秘義務について
誓約書に基づく守秘義務について

7-2 肖像権、プライバシー権に関する規定ついて

7-3 遠隔授業において注意すべき点
教員が注意すべき点
①使用する教材に含まれる患者等の個人情報に関して
②受講する学生の個人情報、容貌(肖像)、室内等の様子(プライバシー)に関して学生が注意すべき点

おわりに

付録 ICT教育・実習に役立つ研究事例
はじめに

関連図作成ツール AkaTool
予習・復習システム
予習システム
復習システム

おわりに

COLUMN
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