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呼気一酸化窒素(NO)測定ハンドブック
筆頭著者 呼気一酸化窒素(NO)測定ハンドブック作成委員会 日本呼吸器学会 肺生理専門委員会 (編集)
メディカルレビュー社
電子版ISBN
電子版発売日 2024年12月9日
ページ数 68
判型 A4変型
印刷版ISBN 978-4-7792-2018-0
印刷版発行年月 2018年3月
書籍・雑誌概要
気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease;COPD)などの基礎研究において,気管支鏡を介した気道壁の生検に加え,喀痰の細胞成分や遠心後の上清液の検討は,各疾患の病態の解明および治療法の開発に大きく寄与してきた。特に,気管支喘息においては疾患概念が「気管支の攣縮」から「炎症」へと大転換をきたし,治療も「気管支拡張療法」から「抗炎症療法」へと変わり患者管理効率の飛躍的な向上をみたのは周知の事実である。
臨床運用の面からいえば,喀痰の好酸球数を計測し診断や抗炎症薬の強度(量)の決定の目安としているが,喀痰はすべての患者から採取できるわけではなく,さらに採取したとしても処理に手間を要するという欠点があった。
一酸化窒素(nitric oxide;NO)は,生体で産生され多彩な作用を示すことが1970年代以降盛んに研究され,1998年にはFurchgott,Murad,Ignarroのノーベル医学生理学賞の受賞に至った。NOはNO合成酸素(nitric oxide synthase;NOS)によってつくられる。NOSは神経,血管,気道上皮,炎症細胞に広く分布するが,気管支喘息では炎症性サイトカインにより気道上皮や炎症細胞にNOSの誘導が起こり,大量のNOが生ずる。NOはガス分子であることから呼気で検出することが可能であり,近年喘息の補助診断検査として普及するに至った。
しかし,呼気NO測定検査は保険収載されていまだ数年で,測定の意義や結果の解釈に関し多少混乱がある。こういった状況の下,日本呼吸器学会肺生理専門員会で,呼気NO測定の原理,測定方法,結果の解釈などに関してできるだけわかりやすく解説した本ハンドブックを刊行するに至った。本書が呼吸器診療に携わる少しでも多くの関係者に読まれることを祈念する。
目次
○第1章
呼気NOの概略
○第2章
呼気NO測定原理
○第3章
測定法の実際
1)NIOX MINO
2)NIOX VERO
3)NObreath
○第4章
測定結果の解釈
1)測定値に対する諸因子の影響
2)各呼吸器疾患における呼気NO
3)喘息における呼気NO
○第5章
付記
1)保険点数
2)Multiple Flowでの測定