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最新 公衆衛生看護学 第3版 2023年版 総論
筆頭著者 宮﨑 美砂子 (編)
その他の著者等 北山三津子、春山早苗、田村須賀子 編
日本看護協会出版会
電子版ISBN 978-4-8180-2638-4
電子版発売日 2023年2月28日
ページ数 400
判型 B5
印刷版ISBN 978-4-8180-2548-6
印刷版発行年月 2023年2月
書籍・雑誌概要
公衆衛生看護の定義・概念・歴史や、保健師活動の原点となる地区活動の考え方と展開方法について、自治体計画や施策づくりも含めて解説。また、家庭訪問・健康相談などの個別支援からまちづくりに至るまでの公衆衛生看護活動の方法について詳説しています。さらに、こうした活動の質を高めるための研究に関する章も設けました。
目次
第1章 公衆衛生看護学概論
Ⅰ 公衆衛生看護とは何か
1.公衆衛生看護の概念
1) 公衆衛生看護の概念が生まれるまでの背景
2) 公衆衛生看護とは
2.公衆衛生看護の定義
3.公衆衛生看護活動を推進するために必要な能力
4.公衆衛生看護の活動目標
1) 人々の社会生活を豊かにすることの追求
2) 予防活動への貢献の追求
3) 看護固有の機能を組織的に適用する方法の追求
5.わが国の保健師の機能・役割の特徴
1) 活動体制面からみた特徴
2) 取り組むべき活動の優先順位からみた特徴
3) 技術面からみた特徴
6.保健師助産師看護師法にみる保健師の規定
7.公衆衛生看護の活動を支えるヘルスプロモーションの概念
1) ヘルスプロモーションとは
2) ヘルスプロモーションの考え方
8.公衆衛生看護における倫理
1) 公衆衛生看護と倫理
2) 公衆衛生看護における倫理的課題
3) 公衆衛生看護の中心的機能と倫理的能力
4) アドボカシーと公衆衛生看護
5) 倫理的意思決定
Ⅱ 公衆衛生看護の歴史
1.保健婦規則制定以前の地域における看護活動
1) 学校保健婦の始まりにみられる保健婦活動の源流
2) 保健婦活動の芽生え:大正時代
3) 保健婦活動の基盤形成:昭和初期
2.保健婦規則制定以後の保健婦活動
1) 保健婦教育の変遷
2) 第2次世界大戦下の保健婦活動
3) 占領政策時期の保健婦活動:1945〜1951年
4) 国保保健婦による活動:1938〜1978年
5) 開拓保健婦による活動:1947〜1970年
3.ヘルスニーズに対応した保健婦活動の確立
1) 活動体制の整備
2) 疾病構造の変化と予防活動への取り組み
3) 地域ケア体制づくり
Ⅲ ヘルスケアシステムの中で機能する看護
1.ヘルスケアシステムの成り立ち
1) 社会保障制度
2) ヘルスケアシステムの基盤となる保健医療福祉行政
2.看護サービス提供体制の現状と特徴
1) 看護職の就業場所
2) 行政組織で働く保健師の就業場所
3.公衆衛生看護活動の場別にみた看護職の活動の特徴
1) 保健福祉行政機関で活動する看護職
2) 保健福祉行政機関以外の場で活動する看護職
4.ヘルスケアシステムが円滑に機能するための看護職の役割
1) 地区活動の管理
2) 地方自治体を単位とした管理的活動
3) ケア体制の整備
4) 地域の健康危機管理における役割
第2章 地区活動論
Ⅰ 地区活動の基本と対象のとらえ方
1.看護職として地区活動で目指すもの
1) 住民の健康意識の向上
2) 生活共同体における問題解決
3) ヘルスケア資源の活用と組織化
4) 看護技術の提供
2.対象集団のとらえ方
1) 生活集団としてとらえる
2) 世帯・家族単位にとらえる
3) 家庭生活と労働生活・学校生活を統合してとらえる
4) 受け持ち地区の生活集団の構築
3.活動方法の特質
1) 保健福祉事業の適用を通してつくり出す活動
2) 総合的プログラムで展開する活動
3) 複数の保健師による共同責任で発展を図る活動
4) 他職種・住民との協働活動
Ⅱ 地区活動の展開
1.地区活動のプロセス
2.受け持ち地区の診断
1) 公衆衛生技術者の共有技術としての地域診断
2) 生活集団の特性と診断の重要性
3) 受け持ち地区の把握と地区診断
4) 受け持ち地区の診断の視点
3.地区活動計画の立案と実施
1) 前年度の活動実績からの発展
2) 活動目標の設定
3) 活動方針の設定
4) 地区活動方法の明確化(実施計画の作成)
5) 実施計画を具体化するための条件づくり
6) 地区活動計画の実施
4.地区活動の評価
1) 事業ごとの評価の視点
2) 地区活動の総体的評価
5.地区活動の質の管理
1) PDCAサイクルの視点
2) 地区活動の質の評価の視点
6.地区活動の展開の実際(事例)
第3章 公衆衛生看護活動の展開方法論
Ⅰ 保健指導論
1.保健指導のねらい
2.保健指導の技術
3.保健師が行う保健指導の特徴
1) 対象本人・家族のセルフケア行動の支援
2) 家族員一人ひとりの健康生活への援助
3) 対象本人・家族の健康生活を支える条件整備
4) 対象との関係形成と合意を得たかかわりの方法
5) 優先度判断
6) 関係職種との連携
7) 他の事例や保健事業・施策への反映
4.保健師の倫理的ジレンマへの対応
1) 援助対象者の権利を擁護する
2) 援助対象者がニーズや関心事に対して選択・決定ができるように支援する
3) 援助対象者の人間としての尊厳,プライバシー,選択を支持し守るために行動し代弁する
Ⅱ 家族相談援助論
1.家族の定義と特性
2.看護における家族へのアプローチ
1) 「健康な家族」の姿
2) 家族に視点を当てることの意義
3) 家族をとらえる4つのアプローチ
3.家族を単位とした看護の展開
1) 家族をサービスの単位とする意義
2) 家族看護の定義
3) 家族看護における保健師の役割
4) 健康問題に適切に対応できるための支援
4.家族アセスメントの基礎となる理論
1) 家族アセスメント
2) 家族発達理論
3) 家族ストレス・コーピング理論
4) 家族システム理論
Ⅲ 公衆衛生看護技術論
1.家庭訪問
1) 家庭訪問で目指すこと
2) 家庭で看護を行うことの意味
3) アウトリーチの有効な手段としての家庭訪問-優先度の高い訪問指導を見極める
4) 家庭訪問で観察すべき事項と情報収集の方法
5) 家庭訪問の進め方
6) 家庭訪問の記録
7) 家庭訪問の積み重ねによる保健事業や施策への反映
2.健康相談
1) 健康相談の対象とねらい
2) さまざまに持ち込まれた健康相談への対応
3) 健康相談の場の設定と展開方法
3.健康教育
1) 保健師が行う健康教育のねらい
2) 保健行動を理解するための理論およびモデル
3) 健康教育の展開方法
4.住民グループ支援
1) 保健師活動における住民グループ支援
2) 地区組織の構成員とともに展開する保健師活動
3) 保健師活動に対する住民協力者の育成
Ⅳ 地域ケア体制づくり
1.ヘルスケアチームづくり
1) 個別援助を通したヘルスケアチームづくり
2) 地区活動におけるヘルスケアチームづくり
2.地域ケア体制の構築
1) 地域ケア体制において課題となること
2) 保健師が地域ケア体制の構築において目指すもの
3) 地域ケア体制の構築における保健師活動の特徴
3.地域づくり・まちづくり
1) 住民との協働による保健師活動
2) 地域住民の相互の助け合い強化によるまちづくり
4.事業化・施策化
1) 事業化・施策化とは
2) PDCAサイクルに基づく事業化・施策化のプロセス
3) 事業化・施策化において保健師に求められる能力
第4章 公衆衛生看護学研究
Ⅰ 研究とは
1.なぜ研究を行うのか
1) 実践活動の質を高めるために
2) 看護専門職としての自己の成長を図るために
2.研究とは何か
1) ある問題意識のもとに設定された課題を解決するための意図的な行為である
2) 系統的なプロセスを経る計画的な行為である
3) 社会に貢献するという方向性をもった公共的な行為である
Ⅱ 公衆衛生看護学における研究
1.公衆衛生看護学における研究の目的
2.公衆衛生看護学における研究課題
1) 公衆衛生看護の対象特性やニーズの特徴を明らかにする研究課題
2) 公衆衛生看護の実践方法の解明や開発に関する研究課題
3) 地域ケア体制の構築に関する研究課題
3.公衆衛生看護学の研究を読む
1) 研究論文の種類
2) 研究論文の構成
3) 研究論文の評価
Ⅲ 公衆衛生看護学における研究のプロセス
1.問題意識の明確化から研究目的の明文化に至る段階
1) 問題意識の明確化
2) 研究課題の明確化
3) 主要な概念の定義づけ
4) 概念枠組みの設定
5) 研究目的の明文化
2.文献検討
1) 文献検討の目的
2) 文献検索の方法
3) 文献記録の作成と整理
3.研究デザインの検討
1) 量的研究と質的研究
2) 知識の探求レベルと研究デザイン
4.公衆衛生看護の実践の場で有用な研究デザイン
1) 調査研究
2) 評価研究
3) 事例研究
5.データ収集と分析方法の信頼性・妥当性を高める方法
1) 信頼性
2) 妥当性
6.研究計画書の作成
7.予備調査による研究計画の確認と修正
8.論文の作成と公表
Ⅳ 研究における倫理
1.看護研究における倫理的配慮
2.研究の各プロセスで求められる倫理的配慮
1) 研究の準備段階
2) 研究計画の立案段階
3) 研究対象者の承諾を得る段階
4) 研究データの収集および収集後の段階
5) 研究の公表の段階
6) 研究における不正行為と利益相反