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PEG診療ガイドライン 2025年版

PEG診療ガイドライン 2025年版
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筆頭著者 PEG・在宅医療学会/PEG Best Practice Advice委員会 (編集)

フジメディカル出版

電子版ISBN

電子版発売日 2025年10月29日

ページ数 172

判型 A4判

印刷版ISBN 978-4-86270-259-3

印刷版発行年月 2025年10月

DOI https://doi.org/10.24590/9784862702593

書籍・雑誌概要

●本書は,実臨床における真に必要なメッセージとしてPEGを冠する本学会の総力を挙げて作成されました。


<発刊に寄せてより>


 今回刊行されたPEG診療ガイドラインの基本コンセプトは,実臨床において真に必要なメッセージを作成することで,そのためにエビデンスのみに縛られることなく,経験豊かな専門家の意見も柔軟に汲み入れられているはずです。海外の学会でも新定義の厳しい診療ガイドライン(PG)と区別してBest Practice Adviceという実臨床で役立つ支援ツールが開発されていますが,本ガイドラインは正にBest Practice Adviceとして,PEGに関連する診療に携わる方々を支援する有益な情報源となることを確信しています。(上野文昭)



<本書の刊行にあたってより>


 胃瘻よりもCVポートの方を希望します,とか,誤嚥性肺炎の人には胃瘻がいいのでしょうか?とか,胃瘻からの栄養剤投与はどうしたらいいのですか?とか,胃瘻を造ったら口から食べられなくなるのですよね,といった声が近頃,医療従事者から私に届くようになりました。20年くらい前には想像がつかないような状況です。栄養投与には患者さんごとに最適の投与ルートがあることや,嚥下訓練には適切な栄養投与が必要なことや胃瘻の基本が理解されていないのだと痛感しました。(中略)

 PEGは単なる「内視鏡を使って胃にカテーテルを留置することができ,胃内に栄養剤を注入することができる」投与ルート造設法です。胃瘻は造設することが目的ではなく,造ってからの栄養投与が目的なのです。胃瘻が出来てから医療が始まるのです。(中略)

 このガイドラインはPEGと栄養に関する,現時点での標準的な扱い方が記されています。本書を読むことで,PEGを有する患者さんに真摯に向き合うようになってほしいと考えています。

 多くのPEGに携わる方々に本書を読んでいただきたく思います。そして本書を手に取られた方々にとって,PEGの理解のために少しでも有用であれば望外の喜びです。(西口幸雄)

目次

PEG診療ガイドライン2025年版 発刊に寄せて

序:本書の刊行にあたって

『PEG診療ガイドライン2025年版』作成にあたって

BPA Statement一覧



【Best Practice Advice】

Statement 1

 中・長期に経管栄養の必要性がある患者には,速やかに胃瘻造設を検討する。

Statement 2

 経腸栄養を必要とする期間が4週間以上と推定される場合や経鼻胃管留置に伴い身体拘束が必要となる場合には,胃瘻が推奨される。

Statement 3

 摂食嚥下リハビリテーションを行う脳卒中患者では,嚥下機能や栄養状態の改善,誤嚥性肺炎リスク低減,QOL向上を目指し,胃瘻からの経腸栄養を推奨する。

Statement 4

 頭頸部癌の化学放射線療法施行患者では,経鼻胃管より胃瘻からの経腸栄養を推奨する。ただし,造設前に摂食嚥下機能を評価し,機能低下について対策することが望ましい。

Statement 5

 PEG施行時の鎮静は,鎮静前評価を適切に行い,鎮静法を決定する。

Statement 6

 瘻孔感染予防において,特に感染リスクの高い患者では,全身抗菌薬の予防的単回投与が強く推奨される。

Statement 7

 PEG施行時のCO2送気は,有害事象を増加させず,気腹症の発生率を低下させるため,使用を考慮してもよい。

Statement 8

 PEG施行時に胃壁固定は造設手技にかかわらず施行を考慮する。

Statement 9

 瘻孔感染が懸念される患者では,イントロデューサー法(変法)でPEGを行うことが望まれる。

Statement 10

 NST介入により,PEG患者の評価精度が向上し,適切な栄養管理が行われることで,合併症リスクの低減,生存率の向上,医療費削減が期待される。

Statement 11

 End-of-Life CareにおけるPEGを含むAHNの適応は,医学的適応に基づき,倫理的な配慮も行った上で検討する。




【背景知識】

1.PEGとは

2.PEGの適応

3.PEG前の留意点

 抗血栓薬

 鎮静法の選択

 摂食嚥下機能評価

4.PEGの手技

 胃壁固定

 プル・プッシュ法

 イントロデューサー法

5.PEGの合併症とその対策

 出血,刺入部出血

 誤穿刺(横行結腸,肝左葉)

 腹膜炎,気腹

 瘻孔感染,上部消化管内視鏡に伴う肺炎,PEG後潰瘍,インプランテーション

6.胃瘻カテーテル交換

 カテーテルの種類(バルーン・バンパー×チューブ・ボタン)

 胃瘻カテーテル交換手技(経皮的・内視鏡的)

 胃瘻カテーテル交換後の確認方法(直接,間接,スカイブルー法,在宅)

 看護師特定行為

7.胃瘻以外の栄養摂取法

 外科的胃瘻造設・腸瘻造設

 経鼻胃管(NGT)

 PTEG

 PEG-J,PED,PEJ

 末梢・中心静脈栄養

8.減圧胃瘻について

9.栄養剤

 栄養剤の分類

 成分栄養剤と消化態栄養剤

 濃厚流動食(流動食)

 半固形化栄養剤・粘度可変型流動食

 病態別栄養剤

 ミキサー食

 薬剤と食品

10.栄養管理

 栄養スクリーニングとアセスメント

 栄養療法

 栄養摂取方法(間欠・持続,幽門後)

11.経腸栄養の合併症

 デバイスに関連した合併

  -共通項目

   ① カテーテル管理と破損・閉塞

   ② 事故抜去

  -経鼻胃管(NGT)

   ① 鼻咽頭部,食道,鼻翼の潰瘍

   ② 経鼻胃管(NGT)の誤挿入・誤注入

   ③ 臓器損傷(肺損傷・消化管穿孔)

  -胃瘻カテーテル

   ① スキントラブル(瘻孔周囲漏れ,瘻孔周囲炎,不良肉芽)

   ② バンパー埋没症候群

   ③ ボールバルブ症候群

   ④ 胃瘻カテーテルによる接触潰瘍(胃潰瘍)

   ⑤ 胃瘻カテーテル交換時の偶発症

 消化器に関連した合併症

   ① 胃食道逆流

   ② 誤嚥性肺炎

   ③ 排便障害:下痢,便秘

 代謝に関連した合併症

   ① 高浸透圧性高血糖症候群・高血糖・低血糖・ダンピング症候群

   ② 電解質(Na)・酸塩基平衡異常,必須脂肪酸欠乏,ビタミン・微量元素(銅・亜鉛・セレン)欠乏

   ③ Refeeding syndrome

12.簡易懸濁法

13.連携

 クリティカルパス

 在宅医療

 病診連携・多職種連携・介護

 口腔ケア・摂食嚥下リハビリテーション

14.小児

 小児における胃瘻造設・胃瘻カテーテル交換と地域連携

 栄養管理と経腸栄養の合併症

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