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≪シリーズ ケアをひらく≫

筆頭著者 郡司ペギオ 幸夫 (著)

医学書院

電子版ISBN 978-4-260-64273-6

電子版発売日 2020年9月21日

ページ数 312

判型 A5

印刷版ISBN 978-4-260-04273-4

印刷版発行年月 2020年7月

DOI https://doi.org/10.11477/9784260642736

書籍・雑誌概要

生ハムメロンはなぜ美味しいのか? 対話という行為がなぜ破天荒なのか?――私たちの「現実」は、既にあるものの組み合わせではなく、外部からやってくるものによってギリギリ実現されている。だから日々の生活は、何かを為すためのスタート地点ではない。それこそが奇跡的な達成であり、体を張って実現すべきものなんだ! ケアという「小さき行為」の奥底に眠る過激な思想を、素手で取り出してみせる郡司氏。その圧倒的に優しい知性。*「ケアをひらく」は株式会社医学書院の登録商標です。
●新聞で紹介されました。
《著者が天然知能と呼ぶそれは、人工知能のように規定の文脈内で情報を処理しがちな現代において、絶対的な外部へと開かれている。……一見難解な語り口の裏に、何がきても一緒に受け身をとってくれそうな、著者の底抜けの寛容さを感じる。》――伊藤亜紗(美学者、東工大准教授)
(『毎日新聞』2020年8月15日 書評欄「話題の本」 より)

目次

第1章 ビワの生い茂る奥の病院
 1-1 もはや学生寮ですらないかつての病棟
 1-2 タクシードライバーといましろたかし
 1-3 干しぶどうをこぼしたのは誰だ
 1-4 神様が来てたんです
 1-5 ムールラー
 1-6 人工知能と天然知能
 1-7 天然知能だった私

第2章 同じなのに違う、違うのに同じ
 2-1 顔を知らないのに人を知っている
 2-2 「よう、元気」であり「誰?」である
 2-3 やってくる「友人」
 2-4 どこまでいっても同じ
 2-5 これは何者かの陰謀か
 2-6 ミスマッチを超えたリアリティ
 2-7 猫でない、というよりはむしろ、猫である

第3章 デジャブから出発しないとわからない
 3-1 おまえ、牛丼食ってから来いや
 3-2 カートを見続けた私のデジャブ体験
 3-3 宙吊りにされた完了形
 3-4 押し寄せる純粋な懐かしさ―夢の中へ
 3-5 唐揚げを見ていて現れたデジャブ
 3-6 お茶を忘れたから、おにぎりがホカホカだった

第4章 「いま・ここ」が凍りつく
 4-1 凍てつく窓の向こう側
 4-2 終わらないことを終わらせようとする恐怖
 4-3 肉体・モノに集中して外部へ
 4-4 運動を知覚する緩い同一性
 4-5 「いま・ここ」のリアリティ
 4-6 押し寄せる背景

第5章 ポップ・ファンキー・天然知能
 5-1 ダサカッコワルイからこそのアメイジング
 5-2 プリンスの衝撃
 5-3 ボーイズ・タウン・ギャングからの「アップタウン・ファンク」
 5-4 クエイ兄弟の脱創造
 5-5 秋山祐徳太子のファンクでポップなダリコ
 5-6 中村―鯖ガエル―恭子

第6章 カヌーを漕ぎ出すことで生きる
 6-1 俺、明日からラーメン屋やります
 6-2 因果関係反転の意味
 6-3 これって権威?―生の尊厳としての権威
 6-4 では、“いわゆる権威”とは何なのか
 6-5 カヌーを漕ぎ出す
 6-6 知覚できないものに同時に備える

第7章 死とわたし
 7-1 死を感じる VS 死を哲学する
 7-2 頭の中と外の接続
 7-3 「前縁の神」としての死
 7-4 「境界の神」としての死
 7-5 間を開くもの=ワイルドマン
 7-6 対話におけるワイルドマン=カブトムシ
 7-7 前縁と境界の間、そして同一性とは

参考文献その他
あとがき