画像診断 39巻3号 (2019年2月)

特集 炎症性脱髄性疾患update−臨床・病理から画像診断まで−

序説 明石 敏昭

炎症性脱髄性疾患の臨床 三須 建郎
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炎症性脱髄性疾患は一般的には中枢性の多発性硬化症が代表であるが,視神経脊髄炎関連疾患として自己抗体が関連する一群が判明し,画像的に診断する機会も増えている.末梢性にはGuillain-Barré症候群や慢性炎症性脱髄性多発神経炎があり,また中枢・末梢連合脱髄症と呼ばれる両者の合併例も注目されている.本稿では炎症性脱髄性疾患の臨床的特徴や検査所見の特徴を中心に解説する.

炎症性脱髄性疾患の病理 三須 建郎
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炎症性脱髄性疾患の脱髄機序には多様性がある.本稿では,多発性硬化症およびその類縁疾患における脱髄の特徴や,近年話題となっている進行性多巣性白質脳症(PML)の特徴などを含めて解説する.

多発性硬化症 明石 敏昭
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多発性硬化症は中枢神経系で最も頻度の高い炎症性脱髄性疾患で,臨床的に診断可能であるが,画像診断が重要視されつつある.多発性硬化症に典型的なMRI所見や,それと関連する病態についてもいくつか述べる.

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進行性多巣性白質脳症(PML)の背景因子は,近年になって開発されたモノクローナル抗体などの生物学的製剤による分子標的治療や,移植医療に伴う免疫抑制薬使用の拡大によって変貌しつつある.本稿ではPMLの画像所見のみならず,その臨床背景についても概説する.また,最近話題のナタリズマブ関連PMLと,PMLに関する磁化率強調像の新たな画像所見についても言及する.

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抗MOG抗体関連疾患は視神経炎や脊髄炎,急性散在性脳脊髄炎(ADEM),皮質性脳炎を呈する自己免疫性炎症性脱髄性疾患である.非常に多彩な所見を呈する中で,視神経炎や急性散在性脳脊髄炎,皮質性脳炎など,特徴的な所見をおさえておくことが重要である.

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視神経脊髄炎(NMO)は,2015年の国際診断基準で確立された疾患概念で,視神経炎・脊髄炎が揃っていなくても,抗AQP4抗体が陽性であれば抗AQP4抗体陽性視神経脊髄炎スペクトラム疾患(NMOSD)との診断となる.また,以前は報告されていなかった脳病変も診断基準に加わっており,抗AQP4抗体陽性NMOSDでとりうる所見をアップデートする必要がある.

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急性散在性脳脊髄炎(ADEM)の診断においては他疾患の除外が重要で,臨床所見,髄液所見と並んでMRIが重要な役割を果たす.臨床所見,画像所見ともに多発性硬化症(MS)との鑑別を意識しながら考えると理解しやすい.ADEMでは画像所見が臨床所見よりも遅れることがしばしばで,画像の解釈に注意が必要である.特に小児で抗MOG抗体陽性のことが多い.

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末梢神経の炎症性脱髄疾患は,Guillain-Barré症候群と慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)が代表的であるが,画像診断が有効なのは後者である.CIDPおよびCIDP類縁疾患は,神経が肥厚し,T2強調像で高信号を呈し,時に造影効果を呈することがあり,その有無について画像診断が求められる.

すとらびすむす

部下の結婚式と息子の夢 福田 哲也

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例は50歳台,女性.2〜3年前より尿潜血あり,左腎門部腫瘤を指摘され,精査加療目的に当院を紹介受診.血液検査ではCEA,CA19-9,IgG4,sIL-2レセプターは正常範囲内であった.

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欧米では子宮癌の手術時,インドシアニングリーン(ICG)を用いたセンチネルリンパ節の同定が行われつつあると聞きますが,日本での適応はどうなのでしょうか? また,他にどのような癌がよい適応になるのでしょうか?

下肢MRLの相談が臨床医からたまにきます.倫理委員会の承認を得ていないので,やるとすれば非造影MRI(heavyT2)になるのですが,現実的にリンパ管を評価する画像が得られ,診断に有用な症例はどの程度でしょうか? また,非造影MRLに関して,撮像条件などもう少し詳しく教えてください.

第3腰椎レベルのリンパ管が描出されれば注入を終了としていますが,その前にリピオドールが極量まで到達した場合は,どうすればいいでしょうか? また,鼠径リンパ節穿刺は両側性に行わないといけないのでしょうか? ちなみに,リンパ管造影のみでも,リピオドールによる塞栓効果である程度の治療効果は得られるのでしょうか?

リンパ漏を疑った際に,IVRをsuggestする際の具体的な書き方,伝え方(リンパ管造影のみsuggestでもよいかなど)を知りたいです.

Picked-up Knowledge from Foreign Journals

肝の線維化 岡田 吉隆
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CTによる肝表面の凹凸の定量化:門脈圧亢進症の検出における有用性

深層学習を用いた造影CT画像による肝線維化のステージング

超音波エラストグラフィによる慢性B型肝炎の肝線維化の評価

CASE OF THE MONTH

Case of March 下山 真介
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20歳台,女性.主訴:心雑音. 現病歴:検診にて胸骨左縁で収縮期雑音および固定性II音分裂を指摘された. 既往歴:特記事項なし. 血液検査:血液生化学,血算に特記事項なし. 胸部単純X線撮影(図1)および造影CT(図2)を施行.考えられる診断は何か?

The Key to Case of January 岸田 雄治
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60歳台,女性.主訴:両側眼瞼浮腫. 現病歴:当院受診5か月前より視力低下や手指のしびれ,右上肢の疼痛・筋力低下などを認め,3か月前より両眼球結膜充血,両眼瞼浮腫と周囲の疼痛が出現. 既往歴:小児結核,脂質異常症. 生活歴:特記事項なし. 当院で撮像されたCT(図1)およびMRI(図2)を示す.考えられる診断は何か?

General Radiology診断演習

重箱の隅をつつく 井上 明星
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仕事場で服を着替えている時に急激な頸部痛を自覚し,右手足が痺れ,動かすことができなくなったため,発症から1時間後に搬送された.機会飲酒,喫煙10本×20年,既往歴に無治療の高血圧.

他科のエキスパートにお尋ねします−ここを教えていただけますか?

産婦人科編 桑原 章 , 竹内 麻由美
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術後の経過観察中に注意すべき,腫瘍と紛らわしい画像を呈する病態について教えてください.

術後に注意すべき,非婦人科疾患と紛らわしい画像を呈する変化について教えてください.

婦人科での検査後に注意すべき,ピットフォールとなりうる画像所見について教えてください.

Refresher Course

卵巣胚細胞腫瘍 田村 綾子
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胚細胞腫瘍は,胚細胞を起源とする腫瘍で,若年者に好発する.ほとんどは良性の成熟嚢胞性奇形腫である一方,若年者の悪性腫瘍の多くは胚細胞由来である.特徴的な画像を呈し診断に結びつきやすい腫瘍があるものの,変性や異なる組織型の腫瘍の合併などにより多彩な画像を示し,診断に苦慮する場合もある.合併症も含め,代表的な胚細胞腫瘍について,画像とともに解説する.

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39巻3号 (2019年2月)
電子版ISSN:2432-1281 印刷版ISSN:0285-0524 学研メディカル秀潤社

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