画像診断 38巻12号 (2018年9月)

特集 知っておきたいリンパ系の画像診断

序説 陣崎 雅弘

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リンパ系は1方向性のシステムである.腹部以下では,起始の毛細リンパ管から集合リンパ管となり,リンパ節を介しながら大動脈リンパ節に集まる.ここで集められたリンパ液は乳び槽から胸管を通り,静脈角で血管系に合流する.従来の胎児解剖に基づいた知見と成人とでは,腰・腸リンパ本幹の出現頻度が異なる.

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リンパ管造影は,リンパ系のインターベンショナルラジオロジーを行うためにマッピングとして必要な技術である.ここでは両足背リンパ管造影,リンパ節内リンパ管造影,肝リンパ管造影についてと,そのコツと注意点について述べる.

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リンパ系の代表的な核医学検査には,リンパ浮腫の病態の評価やリンパ瘻の局在の診断に役立つリンパシンチグラフィと,癌のリンパ行性転移の診断に役立つセンチネルリンパ節検索がある.いずれも,簡便な手法でリンパ系の評価が可能であり,治療方針の決定に役立つ重要な所見を得ることができ,有用性の高い検査である.

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リンパ管の画像診断は血管の画像診断に比して未だ知見が乏しいが,近年注目されているMRIによるリンパ管イメージング法として,造影および非造影のMR lymphangiography(MRL)やMR thoracic ductography(MRTD)がある.これらにより非侵襲的にリンパ管解剖と機能の評価が可能で,リンパ浮腫の診断や,その外科的治療であるリンパ管静脈吻合などの治療プランニング,治療方針決定などに有用である.

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悪性腫瘍の画像診断ではリンパ節を評価することは必須であり,その分類を正しく記載する必要がある.本稿では日常の画像診断を行う際に間違いやすい領域のリンパ節について,解剖学書と各種の取扱い規約に基づいて概説する.

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リンパ節腫大を示す病態の多くは反応性であるが,時に腫瘍性,感染性・非感染性疾患が含まれる.画像所見として,多くの病態では内部均一な非特異的なリンパ節腫大としてみられるが,化膿性リンパ節炎,結核性リンパ節炎などの疾患では内部増強不良を示し,サルコイドーシス,IgG4関連疾患などの疾患では全身性のリンパ節腫大として認められる.これらの特徴的所見は質的診断および適切な治療選択に寄与しうる.

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術後の合併症としてリンパ漏は全身に生じる可能性がある.近年様々なリンパ漏に対するIVRが普及しているが,特に胸管損傷による乳び胸水に対する胸管塞栓術は,低侵襲である上に,治療効果は劇的である.腹部のリンパ漏も時に治療に難渋するため,IVRの活躍する場は広い.本稿では基本的なリンパ漏に対する治療方法を提示する.

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皮下浅層の還流機能をもつリンパ管が存在すれば,インドシアニングリーン(ICG)蛍光リンパ管造影法によってリンパの流れが赤外線カメラで確認できる.2007年以後,我々はこの検査法でリンパ管の位置が容易に探索でき,浮腫におけるリンパ管の機能が評価できることと,それを応用したリンパ管細静脈(LV)吻合術(LVA)を内外に発信し続けた.11年後の現在,本法は世界中に普及し,リンパ浮腫の第一選択外科治療とルーチン検査法となった.

すとらびすむす

君々足らずとも臣々たれ 村上 卓道

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症例は50歳台,女性.他院で膵頭部に腫瘤を指摘されており,増大傾向が認められたため当院紹介となった.10年前に左腎細胞癌(淡明細胞癌)に対し,腎摘除術を施行されている.自覚症状なし.身体所見に特記すべき異常なし.血液検査では炎症所見,貧血などもなし.また,CA19-9やCEAなどの腫瘍マーカーの上昇や,インスリンなどのホルモン異常も認められなかった.

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comb signはCrohn病で有名ですが,同じような所見は潰瘍性大腸炎(UC)でもみられると思いますが,いかがでしょうか? 病変の分布や壁外所見以外で,Crohn病とUCの鑑別に有用なCT所見はあるでしょうか?

腸管壁が薄くなっている際,それが虚血が原因なのかどうか,また壁が造影されているのかどうか迷うことがあります.見分け方について教えてください.

Picked-up Knowledge from Foreign Journals

卵巣低異型度漿液性癌 藤井 進也
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卵巣低異型度漿液性癌のCT所見

卵巣低異型度漿液性癌における治療後CTでの石灰化増加は治療効果を示すものではない

卵巣漿液性境界悪性腫瘍と低異型度漿液性癌の鑑別の鍵となるCT所見

CASE OF THE MONTH

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40歳台,男性.主訴:意識障害. 現病歴:数日前より吃逆,軽度の視力障害,体調不良の症状を認め,近医を受診した.その後,急速な意識レベルの低下を認め,精査加療目的に当院に搬送された.

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40歳台,女性.主訴:なし. 現病歴:健診の胸部単純X線写真で異常陰影を指摘され,精査目的に施行されたCTで後縦隔腫瘤を指摘され,精査加療目的で当院紹介受診となった. 既往歴:Basedow病. 生活歴:特記事項なし. 血液生化学検査:特記事項なし. 造影CT,造影MRIを施行した(図1,2).考えられる疾患は?

General Radiology診断演習

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上腹部痛,食欲低下,腹部膨満感を自覚.近医を受診したが改善なく,8日後に当院紹介となった.血液検査:WBC 9800/μl,GOT 238 IU/l,GPT 276 IU/l,ALP 951 IU/l,LDH 1010 IU/l,T-Bil 2.2mg/dl,D-Bil 1.6mg/dl,AMY 2045 IU/l,CRP 7.45mg/dl,sIL2-R 919U/ml,DUPAN-2 40U/ml,Span-1 38U/ml.

他科のエキスパートにお尋ねします−ここを教えていただけますか?

胸部編 坂本 健次 , 田中 伸幸
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市中肺炎が疑われる状況で胸部CTを撮影した場合に,呼吸器内科の先生にとって,一番欲しい情報は何ですか?

悪性腫瘍にて強力な化学療法を施行後の好中球減少時に呼吸器症状が発現した際にCTを撮影した場合に,呼吸器内科の先生にとって,一番欲しい情報は何ですか?

合併症の記述に関してはいかがでしょうか?

Refresher Course

画像診断と深層学習 八坂 耕一郎
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人工知能を実現する方法として,深層学習が注目を集めている.深層学習は,画像認識において高い精度を発揮することが報告されてきており,放射線画像診断への応用についても研究報告がみられるようになってきている.本稿では,深層学習の概念や画像診断への応用について,概説する.

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38巻12号 (2018年9月)
電子版ISSN:2432-1281 印刷版ISSN:0285-0524 学研メディカル秀潤社

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