画像診断 38巻13号 (2018年10月)

特集 Precision Medicine時代の肺癌の画像診断

序説 坂井 修二

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進行期非小細胞癌では,分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害薬の選択のためのバイオマーカー検査が必須であり,これらはすべてコンパニオン診断で,対象や方法が異なっており,効率的とはいえない.近い将来に次世代シーケンサー(NGS)を用いたクリニカルシーケンスが肺癌診療に大きな変化をもたらすと期待されている.

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発癌に関与するドライバー遺伝子の発見や,癌免疫に関与するメカニズムの解明により,非小細胞肺癌に対する様々な治療薬が開発されてきた.これらの薬剤は臨床応用され,precision medicineが実臨床で可能になった.本稿では,現状の進行非小細胞肺癌におけるチロシンキナーゼ阻害薬と抗PD-1抗体および抗PD-L1抗体について概説する.

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肺癌のprecision medicine時代において,スクリーニング検査で肺結節を拾い上げ,良悪性を鑑別し,正確な病期診断や治療効果判定を行うことは,画像診断に課された重要な役目であることになんら変わりない.そして近年になって,低線量CTの新たな評価方法の提唱と肺癌取扱い規約の更新がなされた.

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precision medicineの時代において,EGFR遺伝子変異などの特定の遺伝子変異を有する肺癌の画像的特徴をとらえることは重要である.CTなどの画像診断は非侵襲的なimaging biomarkerであり,遺伝子変異を有する肺癌においては,ある程度特徴的なCT所見が見受けられ,臨床情報と併せて診断することによって効果的に個別化医療に貢献できる.

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免疫チェックポイント阻害薬による薬剤性肺障害は,画像パターンとして従来型と非従来型があり,後者の頻度が通常の化学療法や分子標的薬よりも高いが,前者は他の薬剤によるものと同様である.非従来型には,1)患側肺病変,2)peritumoral infiltration,3)radiation recall現象,4)肺感染症の増悪がある.

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肺癌の薬剤療法の進歩は目覚ましいものがあり,その選択は遺伝子解析により細分化している.治療効果判定にも個別化医療が進んでおり,画像診断医もこの領域の知見に習熟し,薬剤に応じた的確な診断をしなければならない.治療効果判定,特に進行(PD)の判定にResponse Evaluation Criteria in Solid Tumors(RECIST)が用いられているが,腫瘤最大径のみで判定するため様々な欠点を含んでおり,機能画像による効果判定や予後予測の研究が進んでいる.本稿では,RECISTによる効果判定の問題点と機能画像の研究の現状を解説する.

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肺癌患者の診断から終末期のケアまで,活用可能なIVRは多岐にわたる.しかし,これらのIVRは患者を受けもつ担当医には案外知られていない.IVRの適応の多くは画像診断の過程で見出されるものであり,画像診断医には,診断とともに,IVRによる対処の可能性に言及することが期待される.

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深層学習(DL)は現在の人工知能(AI)の中核技術であり,特に画像認識に高い能力を示す.DLは初期の画像分類から画像検出,画像領域抽出へと応用範囲が広がっており,近い将来において画像診断のスタイルを劇的に変化させる可能性があり,放射線科医はその動向に注意を払うべきである.

すとらびすむす

医学の華 楠本 昌彦

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症例は10歳台,女児.4か月前より頭痛,嘔吐,全身倦怠感が持続していた.近医の小児科を受診し,頭部MRIが施行された.脳腫瘍を指摘され,当院小児科に紹介された.血液検査では,神経特異エノラーゼ(neuron specific enolase;NSE)が軽度高値を示す以外に,明らかな腫瘍マーカーの上昇は認められなかった.

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RA関連の濾胞性細気管支炎や気管支拡張と非結核性抗酸菌症などの感染症は,どのように画像から鑑別すれば良いのでしょうか?

MTX-LPDについて,MTX投与中止後に一時的に寛解が得られても再燃する症例があると書かれていますが,これはMTXを中止したままでも再燃するという意味でしょうか? またMTX-LPDの既往がある患者には,一般的にMTXを再投与することは禁忌なのでしょうか? その場合,RAの治療はどうするのでしょうか?

CASE OF THE MONTH

Case of November 成清 紘司 , 伊東 克能
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80歳台, 男性.主訴:左耳漏,難聴. 現病歴:左耳内に充満した膿性耳漏を洗浄した後,難聴は改善を認めたが,左外耳道前壁に腫瘤を指摘され精査のためCT(図1),MRI(図2)が実施された. 身体所見:左外耳道前壁に一部発赤を伴う白色腫瘤を認める.開口時左耳音あり.開口障害なし. 既往歴:特記事項なし. 血液検査:WBC 5790/μl,CRP 0.44mg/dl. 考えられる診断は何か?

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40歳台,女性.主訴:皮膚・粘膜びらん. 現病歴:口唇・口腔・陰部の粘膜びらん,両手足の皮膚びらん・潰瘍があり,当院皮膚科で精査され,天疱瘡と診断された. 既往歴:特記事項なし. 血液生化学検査:特記事項なし. スクリーニング目的に撮影された造影CTと,追加で撮像されたMRIを示す(図1,2).考えられる診断は何か?

Picked-up Knowledge from Foreign Journals

骨形態解析 青木 隆敏
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肩関節のゼロエコー時間MRイメージング:MRイメージングで増強される骨性組織

椎体圧迫骨折と骨密度:CT画像上での自動検出と分類

3T MRIによる大腿骨近位部の骨微細構造:大腿骨近位部骨密度が骨粗鬆症レベルでない脆弱性骨折者と非脆弱性骨折者の判別

他科のエキスパートにお尋ねします−ここを教えていただけますか?

肝臓編 山下 竜也 , 小林 聡
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C型肝炎の治療は最近大きく変わったと聞きますが,どのような変化があったのでしょうか.

DAAの出現によりC型肝炎の治療効果はどのように変化したのでしょうか.

C型肝炎SVR後のケースでも肝細胞癌は発生しますか.また,画像による肝癌サーベイランス方法は従来と異なってきますか.

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末梢神経に対するMRIをルーチンで行っている施設は少ないかもしれないが,末梢神経疾患は決して稀ではなく,時に要望があるのではと思う.診断に最適な末梢神経画像を得るにはいくつかの工夫が必要であり,本稿では放射線科医として知っておくべき知識を概説する.

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38巻13号 (2018年10月)
電子版ISSN:2432-1281 印刷版ISSN:0285-0524 学研メディカル秀潤社

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