Heart View 29巻4号 (2025年4月発行)

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特集　心不全・心筋症診療 Up to date診断から治療までの最新動向

企画にあたって北井　豪 29巻4号 , 2025年4月 , pp.307-307

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識る1

心不全薬物治療の最前線～各国のガイドライン最新アップデート比較～近藤　徹 29巻4号 , 2025年4月 , pp.308-315

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心不全は，左室駆出率（LVEF）によって，LVEFの低下した心不全（HFrEF，LVEF≦40％），LVEFが軽度低下した心不全（HFmrEF，LVEF 41〜49％），LVEFの保たれた心不全（HFpEF，LVEF≧50％）に分類される。各国いずれの心不全ガイドラインにおいても，心不全における薬物治療の推奨はLVEFによる分類に基づいて決定されている。各国のガイドラインの違いは，発行された時期によるエビデンスの違いによって生じている部分が大きく，これらの最新アップデートを識ることで，心不全薬物治療のエビデンスの過程を識ることが可能である。

識る2

貧血と鉄代謝～心不全患者における新たな管理ポイント～馬場裕一馬場　裕一 29巻4号 , 2025年4月 , pp.316-323

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鉄代謝は循環器疾患に深く関与し，鉄欠乏は心不全を悪化させ，鉄過剰は心筋症を引き起こす。最近では，フェロトーシスという新しい病態機序の関与が示唆されている。本稿では，鉄代謝異常の病態と治療について概説する。

識る3

フレイルとサルコペニアを見逃さない～高齢心不全患者での課題を探る～小西　正紹 29巻4号 , 2025年4月 , pp.324-329

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フレイル・サルコペニアを見逃すことで，患者が生活機能障害・要介護状態に至る過程を食い止めるチャンスを逃す。また心不全の病態とも深い関わりがあり，循環器内科医であれば一度はその病態生理を確認しておきたい。

識る4

心腎連関～腎臓内科医の視点から心不全と腎機能の密接な関係を探る〜坂口　悠介 , 岡　樹史 , 猪阪　善隆 29巻4号 , 2025年4月 , pp.330-334

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心腎連関（CRS）とは，心臓と腎臓がさまざまな要因を介して双方向性に悪影響を及ぼし合い，相乗的に予後を悪化させる病態である。循環器診療ではしばしば腎疾患合併例に遭遇するため，CRSの病態理解は不可欠である。

識る5

栄養管理で改善を狙う～心不全患者における食事療法の最前線～衣笠　良治 29巻4号 , 2025年4月 , pp.336-341

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心不全の食事療法というと真っ先に減塩を浮かべるかもしれないが，減塩だけでよいのだろうか？本稿では心不全の食事療法の最新のエビデンスについて解説する。

識る6

【Expertise】心不全と緩和ケア～QOL向上を目指した包括的アプローチ～大石　醒悟 29巻4号 , 2025年4月 , pp.342-346

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心不全の緩和ケアは人生の最終段階に限定されず，病期全体にわたり本人を中心に医療およびケアの目標設定を繰り返しながら提供される包括的アプローチである。心不全診療に不可欠な要素であり，本稿では重要項目について概説する。

識る7

【Expertise】最新の心不全治療の動向〜インクレチン関連薬，心筋ミオシン阻害薬，遠隔血行動態モニタリング〜夜久　英憲 29巻4号 , 2025年4月 , pp.348-352

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本稿では，近年注目されるインクレチン関連薬（GLP-1受容体作動薬，GIP/GLP-1共受容体作動薬），心筋ミオシン阻害薬，さらには遠隔モニタリングデバイス（CardioMEMSTM HFシステム）を含む最新の心不全治療に焦点を当て，その有用性と今後の可能性を概説する。

診る8

心筋症の分類と正確な鑑別診断のためのポイント北岡　裕章 29巻4号 , 2025年4月 , pp.353-357

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心筋症は一見表現形が同じであっても，病因，予後，治療が異なる。疾患特異的治療が急速に進歩してきており，心筋症の正確な鑑別診断がますます重要になってきている。

診る9

虚血性心不全の診断力を高める〜疾患概念の理解と診断のためのアプローチ〜中村　大輔 29巻4号 , 2025年4月 , pp.358-362

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虚血性心筋症（ICM）はそもそもの定義や分類において定まったものがなく，PCIやCABGを含む侵襲的治療の適応もいまだに議論されている。ICMは非常にheterogenousな疾患群であり，正確な層別化のうえでの個別化診療が求められている。

診る10

肥大型心筋症の診断と評価の進歩天野　雅史 29巻4号 , 2025年4月 , pp.364-371

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肥大型心筋症（HCM）の予後は，治療の観点からも突然死・進行性心不全・心房細動発症に分けて考える必要がある。さらに，HCMはマルティモダリティで診断され，予後に対するリスク因子や治療ストラテジーの構築も各モダリティで同時に評価される。

診る11

心サルコイドーシスの診断と評価の進歩鍋田　健 29巻4号 , 2025年4月 , pp.372-376

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心臓サルコイドーシスは免疫抑制治療など他心疾患とは異なる管理が求められるため，診断が重要である。組織診断の精度は低く，多くは臨床所見を組み合わせる臨床診断群で診断されるため，適切な診断フローを意識することが重要となる。

診る12

心アミロイドーシスの診断と評価の進歩岡田　厚 29巻4号 , 2025年4月 , pp.377-383

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診断法の進歩により，心アミロイドーシスの患者数は従来想定されていたより多いことがわかってきている。新たな治療薬も使用可能となり，現在注目が高まっている二次性心筋症の1つである。

診る13

心Fabry病の診断と評価の進歩佐野　円香 , 古川　裕 29巻4号 , 2025年4月 , pp.384-388

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心Fabry病は早期治療により予後改善が可能な二次性心筋症であり，早期診断が重要である。近年，酵素遺伝子診断や画像診断技術の進歩に伴い，より早期に精度の高い診断が可能となっている。本稿では，Fabry病の診断と評価の最新の知見について紹介したい。

治す14

心不全治療の新時代～これまでの進展と今後の課題～上田　友哉 , 彦惣　俊吾 29巻4号 , 2025年4月 , pp.389-395

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新たな薬剤の開発により，慢性心不全の薬物治療はこの数年で様変わりした。さらに新たな治療薬の出現が見込まれるなかで，今後の課題である増加する高齢心不全患者への薬物選択について，治療薬を整理し，それぞれの薬剤についての理解を深めることが重要である。

治す15

心不全に対する両心室ペーシング治療の進歩と課題金　基泰 29巻4号 , 2025年4月 , pp.396-405

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両心室ペーシング治療（心臓再同期療法，以下CRT）は，心不全に対する非薬物療法として確立された治療法である。しかし，治療効果を最大限に引き出すためには，適切な患者選択およびデバイスプログラミングが不可欠である。近年では，心不全患者に対する左脚領域ペーシング（LBBAP）による治療の有効性が注目されている。

治す16

機能性僧帽弁・三尖弁逆流に対するTEERの進歩と課題三浦　優人 , 天木　誠 29巻4号 , 2025年4月 , pp.406-411

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僧帽弁逆流（MR）に対するtranscatheter edge-to-edge repair（TEER）が2018年に日本で保険償還となり，近年さらなる適応拡大が期待されている。加えて三尖弁逆流（TR）に対するTEERの臨床応用も進んでおり，いずれも適切な患者選択と介入時期の検討が重要である。

治す17

【Expertise】重症心不全に対する心臓移植・植込型VADの進歩と現状塚本　泰正 29巻4号 , 2025年4月 , pp.412-419

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心臓移植は重症心不全患者の生存率，QOLを大きく向上させる治療であり，植込型補助人工心臓（VAD）も技術の進歩により合併症が低減し，著しい成績向上がみられている。しかしながら，心臓移植や植込型VADはわが国ではまだ広く浸透した治療とは言いづらい。本稿では，心臓移植および植込型VAD，destination therapy（DT）の進歩と現状について紹介する。

治す18

【Expertise】再生医療の最前線〜重症心不全患者への新たな選択肢となるか〜舟越　俊介 29巻4号 , 2025年4月 , pp.420-424

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重症心不全に対する心筋細胞移植治療の臨床応用が開始されている。今後の発展が期待される治療法であるが，どのような細胞を用いた治療法で，どのような課題が残っているのかを理解したうえで，治療選択，適応患者選択などの議論を進める必要がある。

連載　大切なことはすべて山下先生が教えてくれた　　教え子達が伝えたい，心房細動診療の極意

第3回　心房細動と慢性化八木　直治 29巻4号 , 2025年4月 , pp.426-429

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心房細動は経過とともに発作性から持続性へ移行することが知られていたが，長期的な慢性化率ついては当時明確な答えが得られていなかった。また無症候性心房細動の比率や慢性化に対する影響も不明であった。本稿では，過去の研究を振り返りながら，心房細動の慢性化に焦点を当てて概説する。

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目次 29巻4号 , 2025年4月 , pp.306-306

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次号予告・バックナンバー 29巻4号 , 2025年4月 , pp.430-430

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奥付 29巻4号 , 2025年4月 , pp.431-431

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基本情報

Heart View
29巻4号
(2025年4月発行)

電子版ISSN：2423-964X 印刷版ISSN：1342-6591 メジカルビュー社

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