臨床婦人科産科 73巻11号 (2019年11月)

今月の臨床 基本手術手技の習得・指導ガイダンス―専攻医修了要件をどのように満たすか?〈特別付録web動画〉

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●プログラム作成者・プログラム統括責任者には,プログラム作成時に産婦人科領域の専門研修プログラム整備基準を熟読することを勧める.バージョンアップがあるので最新版を入手する.

●専門研修プログラム整備基準に記載されている経験すべき手術・処置などの症例数は最低限である.症例数を満たすことではなく,手術・処置などを習得することを目標とする.

●プログラム統括責任者,指導医,専攻医ともに日本産科婦人科学会の産婦人科研修管理システムを用いれば,研修が順調に進んでいるかなどのチェックを随時行うことができる.

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●救急対応の教え方・学び方について,指導医の視点,専攻医の視点それぞれから解説する.

●出血への対応,異所性妊娠・茎捻転を診療する際のピットフォールについて経験談を加えて解説する.

●spontaneous hemoperitoneum in pregnancy(SHiP)という概念が最近話題であり,産科救急疾患の重要な鑑別診断の1つとして解説する.

産科手術関連手技

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●内診所見を確実に取る.その上達のために分娩の振り返り(会陰裂傷の状態や児の鉗子痕の評価も含めて)を必ず行うこと.

●鉗子のブレードの挿入は大きく弧を描くように挿入すること.

通常の帝王切開術 杉山 隆
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●帝王切開術は,産科医療の基本的な手術であり,通常の術式は理解のうえ,執刀医として完遂できることが望ましい.

●児と胎盤娩出後の筋層縫合は丁寧に行うことが肝要であり,その後の短期的のみならず長期的合併症と関連することに留意するべきである.

●早産時や,前置胎盤,さらには前置癒着胎盤が疑われる症例は,帝王切開術の“応用編”であり,また出血量が多い際は,適宜,圧迫縫合術などを行えるように,日頃よりシミュレーションすることが望ましい.

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●前壁付着の前置胎盤の子宮切開法には,体下部横切開,古典的縦切開,底部横切開があるが,それぞれコツがある.

●前置胎盤の胎盤剝離面からの出血には,parallel vertical compression suturesが有効である.

●胎児心拍数異常を伴う常位胎盤早期剝離での帝王切開では,皮膚横切開でもJoel-Cohen法なら迅速に児を娩出できる.

子宮内容除去術 西郡 秀和
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●子宮内容除去術で起こしやすい事故は,子宮頸部裂傷と子宮壁穿孔である.

●手術に際して内診を十分に行い,また手術器具を粗暴な力で用いないことが大切である.

●指導医の下,超音波ガイド下で確認しながら,操作を行うことが大切である.

産婦人科の基本手術

開腹・閉腹・ドレーン設置術 田中 良道
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●開腹・閉腹・ドレーン設置術はいずれも基本的なものであるが,あなどってはならない.いい加減な手技によって血腫やヘルニア,再出血など合併症の原因となりえる.

●手術手技も大事であるが,腹壁の解剖を理解し,手術までにしっかりと準備することが肝要である.また術後は,自らの手技がどうだったかの反省も必要である.

●いかなる難手術も基本手術の繰り返しである.常に初心を忘れず,客観性を持ち続けたい.

単純子宮全摘出術 : 開腹 太田 剛
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●単純子宮全摘出術の習得には,その原理をイメージできるようになることが重要である.

●術前準備を十分に行い,手術難度を的確に把握し,周術期管理についても安全に行えるようにする.

●開腹術の利点である触診を生かして手術を行う.

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●腟式手術は,手術時間が短く,低コストであり,現在でも婦人科手術のなかで有用な術式である.

●子宮頸部円錐切除を施行する場合には,根治性とその後の妊孕性の両方に目を向ける必要がある.

●腟式子宮全摘出術は,婦人科手術のなかで基本となるものである.

婦人科悪性腫瘍の手術(助手の仕方)

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●助手の仕方で最も大切なことは,術者が気分良く手術を行えるようにすることである.

●助手はまず,術野の展開を心がける.

●助手は手順を覚え,術者の次の動きを推定しなければならない.

婦人科良性腫瘍の腹腔鏡下手術

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●腹腔鏡手術の鉗子操作は,3つの鉗子運動(ピストン運動・扇状運動・回旋運動)を組み合わせて行われる.

●持針・運針・糸たぐり・結紮という4つの要素からなる縫合結紮は,コツがわかれば誰でも上手くなる.

●第一トロッカーは,臍の解剖学的構造を理解し,臍底部で挿入する.

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●良性卵巣腫瘍に対しての腹腔鏡下手術では,術後卵巣機能に配慮して,囊胞摘出および止血操作をできるだけ慎重に行う必要がある.

●術中の囊胞内容の漏出を回避することが重要であるが,漏出した場合は腹腔内の十分な洗浄を行う.

●腫瘍内容の腹腔内漏出の回避には腹腔鏡補助下の体外術式が有用である.

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●腹腔鏡下子宮筋腫核出術は,専攻医を修了するためには必ず必要な手技ではないが,今後産婦人科医として働くなかでは必ず経験しなければならない手術である.

●腹腔鏡下子宮筋腫核出術のトレーニングでは,手術の見学,縫合の練習,腹式子宮筋腫核出術でのイメージトレーニングが重要である.

●腹腔鏡下子宮筋腫核出術を経験しなくとも,日ごろのさまざまなトレーニングや経験により十分にスキルアップは望める.

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●一つ一つの手技を言語化し,その目的・方法・注意点を意識する.

●傍子宮結合織処理には尿管の位置を「推測しなければならないグレーゾーン」があり,さらに尿管からどれだけ離れたらよいかという「安全を求めるグレーゾーン」がある.

●腟カップ(SecuFix)は初心者には有用な機器であり,特に傍子宮結合織処理に力を発揮する.

生殖医療関連手技

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●子宮卵管造影は基本的な不妊症検査であり,すべての専攻医が習得すべき手技である.

●子宮鏡は子宮内膜のホルモン応答性を念頭に置いて実施する.

●採卵は生殖補助医療のなかで唯一侵襲的な手技であり,実施に当たっては合併症などに細心の注意を払う.

連載 Obstetric News

満期単胎骨盤位分娩 武久 徹
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 骨盤位は満期妊娠の約3〜4%にみられる.骨盤位外回転術(ECV)に関するメタ分析(無作為化対照8試験を対象)で,ECVの施行によって,帝王切開が43%(95%信頼区間,40〜82%)減少したことが報告されている.

 米国産婦人科学会(ACOG)医療技術情報と委員会見解は,発行後,内容の再確認が行われ,骨盤位分娩に対し,2018年に大幅な改訂が行われた.今回は,その内容の紹介と,最近のACOG Today's Headlinesに紹介された骨盤位外回転術に関する情報をご紹介する.

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臨床婦人科産科
73巻11号 (2019年11月)
電子版ISSN:1882-1294 印刷版ISSN:0386-9865 医学書院

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