特集 老いと向きあう
高齢者の孤独・社会的孤立――地域包括ケアシステムの視座からの現状と対策
藤原 佳典
1
1東京都健康長寿医療センター研究所
pp.23-26
発行日 2026年2月5日
Published Date 2026/2/5
DOI https://doi.org/10.69291/pt52010023
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Ⅰ 高齢者の孤独・孤立の実態と傾向
社会的孤立(Social isolation)とは客観的に家族やコミュニティとほとんど接触がないことであり,孤独(Loneliness)とは仲間づきあいの欠如や喪失により主観的に好ましからざる感情を抱くことである。内閣府の調査では孤独感が「しばしばある・常にある」との回答者は,男性4.4%,女性4.2%となっており,明らかな世代差は見られない。また,近年の核家族化や単身家庭の増加など,同一年齢であっても,世相や時代の影響を受ける可能性もある。当研究所の長期縦断研究では1987年以降全国の高齢者への調査を継続してきた。回答した70歳以上(1987年:988人,1999年:1,405人,2012年:715人,2021年:744人)のデータを集計し,同居家族以外(別居の家族・親族,友人,近所の人)との対面・非対面の交流が合わせて週に1回未満の場合を「孤立傾向あり」として,4時点でこの割合の推移をみた(東京都健康長寿医療センター研究所,2023a)。男性では孤立傾向をもつ人の割合が4時点で一貫して増加しており,2021年には4割に達した。逆に女性ではやや減少傾向にあり,男女差が拡大していた。このように孤独・孤立の実態については,短期間の一断面での知見だけでなく,長期的,縦断的かつ多面的に検討する必要がある。

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