連載 臨床心理学・最新研究レポート シーズン3
マインドセットのプロセスモデル――能力に対する信念の動的・社会的概念化
竹島 克典
1
1武庫川女子大学心理・社会福祉学部
pp.514-518
発行日 2026年7月10日
Published Date 2026/7/10
DOI https://doi.org/10.69291/cp26040514
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I はじめに
臨床心理学において「変化/安定化」をどう捉えるかは,常に中心的なテーマである。不適応行動やメンタルヘルス不調の発生・回復,介入による新たな行動パターンの獲得や習慣形成は変化そのものであり,問題の慢性化や介入への低い反応性は不適応的なパターンとしての安定化(変化のしづらさ)を表す。これらは時間経過に伴って動的に展開する性質を持つため,それを適切に捉える理論的枠組みが不可欠である。
本稿で紹介する論文は,「能力に対するマインドセット」という,従来は個人内の安定した静的特性とみなされがちであった概念を,動的で社会的相互作用のなかに位置づけられたプロセスとして捉え直そうと試みている。主に学業場面の子どもや学生を対象としているが,その応用可能性は極めて高く,我が国の臨床心理学の研究と実践の視野を広げ,クライエントへのより効果的な援助を考えるための豊かなヒントを提供するものである。

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