特集 教科書には書いておらず,大学院でも教えてもらえない,現場で学ぶしかないありふれた臨床テクニック集
認知も行動もどうでもいいとき―治療関係・治療同盟を育むということ
田中 恒彦
1
1新潟大学
pp.53-56
発行日 2025年1月10日
Published Date 2025/1/10
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Ⅰ 認知行動療法を成り立たせるための治療関係
認知行動療法(CBT)においては,クライエントの「認知」と「行動」に焦点を当てることはセラピーの根幹に繋がるものです。しかし,クライエントが認知的介入も行動的介入も拒否しているときや,対話がなかなか進展しないときなど,セラピーのなかで「認知も行動もどうでもいい」と感じてしまうときも存在します。では,そのようなときにセラピストはどう対応すれば良いのでしょうか。本稿では,3つの事例を通して,このような状況下における治療関係・治療同盟の重要性について考察していきます。

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