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皮膚感覚と感覚処理感受性が不安感と対人認知に与える影響
大津 栞里
1
,
板倉 憲政
1ケー・エイチ・ケー
キーワード:
質問紙法
,
触覚
,
性同一性
,
人間関係
,
認知
,
不安
,
不安尺度
,
分散分析
,
動画
,
ランダム化比較試験
Keyword:
Touch
,
Randomized Controlled Trials as Topic
,
Cognition
,
Gender Identity
,
Analysis of Variance
,
Anxiety
,
Motion Pictures
,
Manifest Anxiety Scale
,
Interpersonal Relations
pp.103-111
発行日 2024年1月10日
Published Date 2024/1/10
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本研究は,感覚処理感受性の個人差が,ボールを用いた触覚提示における操作を通じて,不安感および対人認知に与える影響を検討した。本研究では,実験開始前に感覚処理感受性の回答を行った57名の女子大学生を対象に,不安感を測定し,柔らかいボールを持つ群,硬いボールを持つ群,ボールを持たない群に無作為に振り分けた後,再度,不安感の測定を行った。次に,統制群以外はボールを握りながら,同性のインタビュー動画を視聴した後,インタビュー動画に出てくる女性の印象を評定させた。感覚処理感受性(高・低)×触覚提示(硬・柔・ボール無)とした二要因分散分析の結果,感覚処理感受性における低感覚閾の高群は,低群と比較して,柔らかいボールによって,インタビュー動画の人物評価におけるネガティブ得点が低いという結果になった。これらの結果は,低感覚閾の高い者が,皮膚感覚により対人認知に影響を受ける可能性を示唆するものである。

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