論評
病院経営医療法人への新型コロナ流行による財務的影響の経年変化―第1-2波期から第3-5波期を経て第6-7波期の影響への変遷―
荒井 耕
1
1一橋大学大学院経営管理研究科教授
pp.6-13
発行日 2024年5月11日
Published Date 2024/5/11
DOI https://doi.org/10.57527/JUNPO2927003
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1 問題意識 新型コロナはすでに5類感染症となり流行への関心は薄れつつあるが、流行による医療機関への財務的影響を多様な観点から分析し、将来の新興感染症流行に際して歴史的教訓として生かせるように、その知見を遺しておくことは意義深い。新型コロナ流行に関わる事後検証が現在各分野で進められており、流行関連補助金の効果を含む医療機関への財務的影響についての分析も進められつつある(荒井、2023)。しかし病院を経営する医療法人という財務的に運命共同体である経営体を単位として、その経営類型を区分しつつ、新型コロナの流行期間との対応を考慮した会計期間(決算期)設定をして、流行前から流行後3年目までの中長期的な財務的影響の変遷を分析した研究はまだ見られない。
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