論評
医師1人当たり財務指標への医療法人属性の影響―医療法人財務データベースを活用した『病院経営管理指標』の充実に向けて
荒井 耕
1
,
古井 健太郎
2
1一橋大学大学院経営管理研究科教授
2帝京大学経済学部講師
pp.6-13
発行日 2025年3月11日
Published Date 2025/3/11
DOI https://doi.org/10.57527/JUNPO2957003
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1 はじめに 病院における医療サービス提供の内容・量を決定づけるのは医師であり、病院経営において医師はいわばエンジンとして期待されている。そのため、いかに各医師に収益や利益を生み出してもらうかは、病院経営層にとって大きな関心事であり、病院によっては、医師1人当たり事業(医業)収益や医師1人当たり事業(医業)利益を経営管理指標としている。筆者が2024年9月に実施した質問票調査によれば、回答した病院経営医療法人のうち67%及び60%において医師1人当たり事業収益及び利益が算出されており、また両指標を「全く重視せず」とする法人は共に18%に止まっていた。さらに医師1人当たり事業利益は、事業計画策定や設備機器投資、情報システム投資、採用・研修活動に際して、過半の法人で考慮されていた(荒井、2025)1。

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