特集 心不全パンデミック時代の新しい診療知を求めて
総説 心不全パンデミックの現状と対策
心不全の新しい分類とは何か?
藤田 文香
1
,
泉 知里
1
1国立循環器病研究センター心不全・移植部門心不全部
キーワード:
▶心不全の分類としてLVEFによる分類と心不全病期による分類が存在する.
,
▶LVEFによる分類は,LVEFにより効果的な治療が異なるため重要である.
,
▶LVEFは初回評価時のEFによりHFrEF,HFpEF,HFmrEFに分類される.
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▶HFrEFはEF≦40%でありFantastic Fourと呼ばれる心不全治療薬に加えて非薬物治療(植込み型除細動器・心臓再同期療法)が有効な症例が存在する.
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▶HFpEFはEF≧50%の心不全患者であり複数の並存疾患を有する疾患群であり,SGLT2阻害薬による予後改善効果が示されている.
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▶HFmrEFはEF41~49%の心不全患者である.この患者群はHFrEF,HFpEFいずれの特徴も有している.SGLT2阻害薬がクラスⅠ適応である.
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▶初回評価後,経過のなかでLVEF≦40%から10%以上LVEFが改善しLVEF>40%となった症例をHFimpEFと定義する.再増悪の可能性を有しており治癒でないことに留意する.
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▶心不全は心不全前段階,心不全発症を経て増悪寛解を繰り返して増悪していく.
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▶リスク保有状態のステージA,心不全前状態であるステージBでも心不全発症予防として適切な薬物治療が推奨されている.
,
▶ステージAからステージBへの移行を判断する基準の一つにナトリウム利尿ペプチドが存在する.これが上昇した場合は,さらなる精査や専門機関への紹介を検討する.
Keyword:
▶心不全の分類としてLVEFによる分類と心不全病期による分類が存在する.
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▶LVEFによる分類は,LVEFにより効果的な治療が異なるため重要である.
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▶LVEFは初回評価時のEFによりHFrEF,HFpEF,HFmrEFに分類される.
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▶HFrEFはEF≦40%でありFantastic Fourと呼ばれる心不全治療薬に加えて非薬物治療(植込み型除細動器・心臓再同期療法)が有効な症例が存在する.
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▶HFpEFはEF≧50%の心不全患者であり複数の並存疾患を有する疾患群であり,SGLT2阻害薬による予後改善効果が示されている.
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▶HFmrEFはEF41~49%の心不全患者である.この患者群はHFrEF,HFpEFいずれの特徴も有している.SGLT2阻害薬がクラスⅠ適応である.
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▶初回評価後,経過のなかでLVEF≦40%から10%以上LVEFが改善しLVEF>40%となった症例をHFimpEFと定義する.再増悪の可能性を有しており治癒でないことに留意する.
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▶心不全は心不全前段階,心不全発症を経て増悪寛解を繰り返して増悪していく.
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▶リスク保有状態のステージA,心不全前状態であるステージBでも心不全発症予防として適切な薬物治療が推奨されている.
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▶ステージAからステージBへの移行を判断する基準の一つにナトリウム利尿ペプチドが存在する.これが上昇した場合は,さらなる精査や専門機関への紹介を検討する.
pp.472-476
発行日 2026年4月1日
Published Date 2026/4/1
DOI https://doi.org/10.50936/mp.43.04_005
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心不全とは
日本における死因別死亡総数として心疾患による死亡は悪性新生物に次いで第2位であり,心疾患による死亡の中では心不全による死亡が最多数となっている.そして,社会の高齢化に伴い今後も心不全患者数は増加していくことが見込まれる.「心臓の構造・機能的な異常により,うっ血や心内圧上昇,および/あるいは心拍出量低下や組織低灌流をきたし,呼吸困難,浮腫,倦怠感などの症状や運動耐容能低下を呈する症候群」と定義される心不全であるが,現在はさまざまな薬物治療・非薬物治療が存在し,心不全患者の予後改善に役立っている.しかし適切な患者に対し適切な時期に治療を行うことが重要であり,その患者層の分類に用いられるのが左室駆出率left ventricular ejection fraction(LVEF)であり,時期の判定に重要であるのが心不全進展ステージである.本稿ではLVEFと心不全進展ステージを用いた心不全患者の分類の必要性・重要性について説明を行っていく.

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