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現在,本邦で薬事承認されている組織検体を用いた遺伝子パネルとしては,OncoGuide™NCCオンコパネルシステム(以下,NCCオンコパネル)と,Foundation One®CDxがんゲノムプロファイル(以下,F1CDx)がある。F1CDxの場合,一部のドライバー遺伝子異常に関しては,医薬品の適応判定の補助を目的(コンパニオン診断薬機能,以下CDx機能)として用いられることも承認されている。一方,標準治療を失ったがん患者に対して「包括的ゲノムプロファイリング(comprehensive genome profile)検査,以下,CGP検査」として用いられることに関しては,両方のパネルに適応がある。そもそも固形がん全般において標準治療を失ったがん患者に対するCGP検査で,遺伝子異常に合致した薬剤の投与が可能な割合は少なく,これは日本に限ったことではない。現状,パネルに搭載されている遺伝子異常のなかで,エビデンスレベルの高いものが少ないことに原因がある。一方で,2021年に「腫瘍由来循環DNA(circulating tumor DNA),以下ctDNA」における遺伝子異常を検出する遺伝子パネルFoundationOne® Liquid CDx(以下,F1 Liquid),さらに2022年にGuardant360® CDxが国内承認され1)2),今後,他のリキッドパネルも承認の可能性がある。血漿検体を用いることで遺伝子パネル検査へのアプローチが現在より容易になるなか,CDx機能だけでなくCGP機能も含めて,標準治療施行中に遺伝子パネルを用いたいという適応拡大の要望がある。このような状況のなかで,「ホルモン受容体陽性再発乳癌に対してがんゲノム遺伝子パネル検査を薦めるべきか」の題材に対して,「推奨できる」とする立場からディベートを試みる。・論点整理/南博信・「推奨できる」とする立場から/田村研治・「推奨できない」とする立場から/河村美由紀/松本光史
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