State of the ART
人工知能の応用
杉本 昌弘
1
1東京医科大学医学総合研究所低侵襲医療開発総合センター教授/慶應義塾大学先端生命科学研究所特任教授
pp.15-19
発行日 2017年2月20日
Published Date 2017/2/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0096.03.01_0015-0019
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「ポイント」 ・人工知能を使えば統計解析よりも高精度に特定の病態や治療効果を予測できる可能性がある。 ・従来の人工知能ではどのような特徴を使えば高い予測精度が得られるのか,その特徴をよく理解している専門家が設計しなければならない問題があった。 ・ディープラーニングは,予測に必要な変数の抽出も自動で行うため,専門家による変数設計の負担を低減することができる。 ・近年電子カルテの情報を集めるビッグデータ化プロジェクトが多く走っているが,ディープラーニングを使うことで,その集めたデータから重要な予測因子の発見や予測モデルを開発できる可能性が高まると考えられる。 人工知能または機械学習(正確には意味が違うがここでは同義に扱う)は,1970年代ごろの古くから研究が行われてきてさまざまな分野に活用されているが,あまりに枯れた技術であったため意識して人工知能という言葉が使われることは少なくなってきていた。しかし近年,再び注目されている。囲碁をはじめとしたさまざまなゲームで,人間のチャンピオンを打ち負かすほど強いレベルのアルゴリズムが登場し,劇的に強くなるという技術革新があった。
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