特集 Special Article:
薬物療法を最大化するための取り組みや工夫 2.実臨床に即した目標設定―断酒と減酒―
天野 雄平
1
,
松田 純
2
,
天野 宏一
3
1医療法人杏野会各務原病院診療部長
2医療法人杏野会 各務原病院/公認心理師
3医療法人杏野会各務原病院理事長・院長
キーワード:
断酒
,
減酒
,
目標設定
,
ナルメフェン
,
試験的断酒
,
身体依存
,
断酒につながる減酒
Keyword:
断酒
,
減酒
,
目標設定
,
ナルメフェン
,
試験的断酒
,
身体依存
,
断酒につながる減酒
pp.14-18
発行日 2023年7月20日
Published Date 2023/7/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0078.11.02_0014-0018
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アルコール使用障害の治療目標設定に際し,断酒と減酒のどちらを選択すべきかについては,最近のメタ解析,システマティックレビューによると同等に有効であることが示され,目標の選択に患者自身が関与したほうが,やる気や自己効力感が高まり,良好な転機と相関するようである。一方で治療に対する障壁としては,恥の感覚や失敗による自尊心喪失の恐怖が強く,断酒の提示は患者にとって,治療者が想像する以上に敏感な事柄で,否認をきたしがちである。今後はかつてのパターナリスティックなあり方ではなく,治療者と患者の共同意思決定(SDM)での目標設定が重要となってくるが,その一つの方法として,現在,当院外来で行っている2週間の試験的断酒を設けた際の身体依存の程度を指標として,ナルメフェンを用いた減酒治療導入の可否を判断する新たな取り組みについて紹介したい。「KEY WORDS」断酒,減酒,目標設定,ナルメフェン,試験的断酒,身体依存,断酒につながる減酒
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