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新生児低酸素性虚血性脳症を予防するための自己臍帯血幹細胞治療
渡部 晋一
1
1倉敷中央病院総合周産期母子医療センターセンター長
pp.17-21
発行日 2015年12月1日
Published Date 2015/12/1
DOI https://doi.org/10.34449/J0055.07.03_0017-0021
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「はじめに」倉敷中央病院(写真1)は,倉敷紡績株式会社社長の大原孫三郎氏により,「社会から得た富は社会に還元する」という考えの一貫として1923年6月に創設された。同氏は,①治療本意(研究目的ではない,真の患者のための治療),②病院くさくない明るい病院,③東洋一の理想的な病院,という3つの理念を打ち出した。当時の京都帝国大学総長の協力を得て優秀な人材を集め,欧州から最新の医療機器や医学書を購入した。患者本位の病院であることを理想とした創設者の思いは時代にふさわしい形で受け継がれ,同院は真の地域医療連携を基盤とした地域ナンバーワン急性期基幹病院として邁進している。本稿では,同院の総合周産期母子医療センターの概要を紹介したうえで,渡部先生らが現在取り組んでいる「新生児低酸素性虚血性脳症(HIE)に対する自己臍帯血幹細胞治療」(厚生労働科学研究委託費・再生医療実用化研究事業分担研究/新宅班)に焦点をあて,その経緯や現状,今後を展望する。
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