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先天性横隔膜ヘルニア 先天性横隔膜ヘルニアの循環管理
稲村 昇
1
1大阪府立母子保健総合医療センター小児循環器科副部長
pp.33-39
発行日 2015年8月1日
Published Date 2015/8/1
DOI https://doi.org/10.34449/J0055.07.02_0033-0039
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「はじめに」先天性横隔膜ヘルニア(congenital diaphragmatic hernia;CDH)は予後不良な先天性疾患であったが,一酸化窒素(NO)の吸入,呼吸管理方法の変遷によって治療成績は向上した1)。Nagataらによる本邦におけるCDHの治療成績は90日生存率が75%,合併奇形のないCDHの90日生存率が84%であった2)。一方,CDHの治療方法も大きく変化している。膜型人工肺(extracorporeal membrane oxygenation;ECMO)の使用頻度の減少3),肺高血圧治療の進歩4),最近では, 胎児鏡下気管閉塞術(fetal endoscopic tracheal occlusion;FETO)による胎児治療が注目されている5)。FETOは欧州を中心に重症~中等症のCDH胎児で施行されている。本邦でも重症例を対象とした安全性試験が行われている。このようにCDHの治療は胎児期から重症度によって層別化され,胎児治療が施されて出生する時代になろうとしている。このため出生後の治療も標準化されたものが必要になる。本稿では,CDHの周産期における循環動態の評価と治療について解説する。「Key words」横隔膜ヘルニア,心エコー検査,肺高血圧,心室機能
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