連載 ドライアイ外来最前線
金沢医科大学病院眼科 ドライアイ外来
北川 和子
1
1金沢医科大学眼科学教授
pp.56-58
発行日 2015年4月30日
Published Date 2015/4/30
DOI https://doi.org/10.34449/J0042.10.01_0056-0058
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「ドライアイ外来を始めた経緯」金沢医科大学病院眼科でドライアイ外来を始めた時期を明確に断定することはできませんが,1990年代より自然発生的に徐々に形ができあがってきました。当時,血液免疫内科教授であった菅井進先生が世界的なシェーグレン症候群の研究者であったことにより,当院に多くのシェーグレン症候群の患者さんが受診されたことで,シェーグレン症候群診断基準に必要な基本的なドライアイ検査方法をまずマスターすることが必要となり,ついで重症度に応じた治療を行わなければなりませんでした。それまで私は感染症を専門とする角膜外来を立ち上げていましたが,前眼部つながりでシェーグレン症候群を対象とするドライアイ診療がはからずも誕生した,というのが実情です。シェーグレン症候群では一般のドライアイと比較して重症例が多いのが特徴です。最初はこのような重症ドライアイがこれほど多く存在することにショックを受けたものです。シェーグレン症候群についての知識は皆無に近いものでしたが,その後,様々な全身合併症を起こすことを知り,内科,眼科,歯科・口腔外科を含めた多領域の医師が協力して診断・治療を行うことの必要性を痛切に感じました。
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