ドライアイ診療ガイドライン解説
1.信頼される診療ガイドラインの作成と評価
小島原 典子
1
1東京女子医科大学衛生学公衆衛生学准教授
pp.8-8
発行日 2019年5月30日
Published Date 2019/5/30
DOI https://doi.org/10.34449/J0042.14.91_0008-0008
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信頼される診療ガイドラインとは,透明性を担保し,患者アウトカムに基づくシステマティックレビュー(SR)によって推奨を作成されたものと言われる。『Minds診療ガイドライン作成の手引き2014』(以下,Minds2014)では,透明性を担保する方法として,COIを管理し開示する,患者・市民の視点を取り入れる,SRで採用する論文の選択過程や個別論文の評価,推奨の作成過程を記録する,などを求めている。SRについては,個別論文のクリニカルクエスチョン(CQ)のPICOの要素を吟味して,アウトカムごとにまとめて評価することが理想である。無作為化比較試験(RCT)によるメタアナリシスができず,数値として統合することができないCQでは,定性的にPICOを比較してレビューする。今回,ドライアイ研究会が中心となって,わが国のドライアイの定義と診断基準を明確にし,わが国独特の治療についてMinds2014を参照してドライアイ診療ガイドラインが作成されたことには大きな意義がある。
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