特集 性ホルモンと産生・依存性腫瘍の基礎と臨床
特集にあたって
藤原 浩
1
1金沢大学医薬保健研究域医学系産科婦人科学 教授
pp.10-10
発行日 2020年6月1日
Published Date 2020/6/1
DOI https://doi.org/10.34449/J0015.27.02_0010-0010
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女性の生殖現象では視床下部-下垂体-卵巣系の調節機構によって卵胞発育,排卵,黄体形成からなる月経周期,および受精から胚発生,胚着床に至る過程,さらにその場となる卵管や子宮の機能が制御されている。これらの機構は性ホルモンの作用に大きく依存しており,その理解には性腺,副腎,胎盤での性ホルモン産生機序ならびに標的臓器である視床下部,子宮,乳腺における性ホルモン応答機序に精通することが必要である。一方で生殖臓器の特徴として性ホルモンを産生する腫瘍や性ホルモン依存性に増殖する腫瘍が発症することが挙げられる。特に悪性疾患においては現在も精力的にホルモン治療法の改良が進められており,その理解にも性腺での性ホルモン産生機序の基礎的知識や性ホルモンの作用機序の最新情報の修得が求められる。そこで今回これらの機序を整理してupdateする目的で「性ホルモンと産生・依存性腫瘍の基礎と臨床」と題した特集を企画した。
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