特集 遠隔医療が開く未来
先端素材を駆使した薬物センサの創出 ―Point-of-care testingと遠隔医療の展開へ向けて―
日比野 浩
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1大阪大学大学院医学系研究科薬理学講座統合薬理学 教授
キーワード:
遠隔医療
,
Therapeutic drug monitoring:TDM
,
Point-of-care testing:POCT
Keyword:
遠隔医療
,
Therapeutic drug monitoring:TDM
,
Point-of-care testing:POCT
pp.29-33
発行日 2024年3月10日
Published Date 2024/3/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.41.01_0029-0033
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遠隔医療は、未来社会での健康の維持や疾患の克服に不可欠である。薬物は、多くの治療の第一選択になる。体内の薬物濃度は、安全かつ有効な範囲、すなわち治療域で維持される必要がある。しかし、治療域が狭い薬物や患者の状態により、薬効の不足や副作用が生じやすくなる。したがって、遠隔医療においては、その場で迅速に薬物濃度を定量するシステムが求められている。この“Point-of-care testing(POCT)”に係るデバイスについては、数多くの試作品が報告されているにも関わらず、実用化は十分に進んでいない。本稿では、最近、筆者らが理工系先端素材を使って開発に取り組んでいる薬物センサを紹介しつつ、遠隔医療の展開に資するPOCTデバイスの現状や課題を述べる。「KEY WORDS」遠隔医療,Therapeutic drug monitoring:TDM,Point-of-care testing:POCT
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